ANAの787初号機、3/1も運航 羽田-ソウルがトリトンブルー最後に
全日本空輸(ANA/NH)のボーイング787-8型機の初号機(登録記号JA801A)が、2月29日の羽田-長崎線でANA塗装での国内線運航を終える。当初は29日が最終日となる計画だったが、3月1日の羽田-ソウル(金浦)線2往復4便に追加投入することになった。世界で初めて商業運航を行った787で、ANA塗装の最終便は1日のソウル発羽田行きNH868便となり、午後9時55分に羽田へ到着する見込み。同じくANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)が運航する新ブランド「AirJapan」仕様機に改修する。 【写真】サバ塗装からトリトンブルーに再塗装されるANAの787-8 JA801A ANA塗装最終日となる1日は、羽田午前8時45分発のソウル(金浦)行きNH861便、ソウル午後0時20分発の羽田行きNH864便、羽田午後3時55分発のソウル行きNH865便、ソウル午後7時50分発羽田行きNH868便の2往復4便に投入。午後9時55分に羽田へ到着し、ANAグループの通常塗装「トリトンブルー」での運航を終える。 JA801Aは2011年8月6日製造。製造番号(MSN)は34488、ボーイングが製造管理で使用している「ラインナンバー(LN)」は8番(LN8)で、エンジンはロールス・ロイス製トレント1000-A2(推力2万8940kg)を2基搭載し、同年9月25日に受領した。中距離国際線仕様機で、座席数は就航当初は2クラス264席だったが、2013年10月の改修で222席に変わり、2015年11月の改修で現在の240席(ビジネス42席、エコノミー198席)になった。シートマップでは「78M」とされている。 最初の商業フライトは2011年10月26日の成田発香港行きチャーター便のNH7871便で、世界初の787による運航便となった。中距離国際線仕様機だが、当初は国内線に暫定投入していたため、最初の定期便は同年11月1日の羽田発岡山行きNH651便となった。 導入当初は、2号機(JA802A)と共に機体後方に濃紺のアクセントをあしらった特別塗装で運航していたが、2017年2月に現在の通常塗装に塗り替えられた(関連記事)。787では初の再塗装となった。 特別塗装は白いボディーに濃紺のアクセントが入ることから、航空ファンからは“鯖”(サバ)塗装とも呼ばれ親しまれてきた。前部胴体に「787」と大きく描き、後部の藍色に交差するラインは「ANAのネットワーク」と「ANAのプロダクトサービスブランド」を表現した。 AirJapan仕様は、座席数はエコノミークラスのみの1クラス324席。シートピッチは海外のFSCのエコノミークラスと同等の32インチ(約81センチ)で、東南アジアのLCCで主流の28-29インチより広くした。ANAの国際線用787は34インチ、国内線用は31インチで、グループ内では中間のピッチとなる。 ANA仕様の客室ではL2-R2ドア付近にあったバーコーナーと、L3-R3ドア付近の中央ギャレー(厨房設備)は撤去し、座席を設置するスペースに充てた。 L2-R2ドア付近にはパーティションがあり、最前方「Aコンパートメント」と、L2-R2ドアからL3-R3ドアまでの「Bコンパートメント」を区切っているが、L3-R3ドア付近は何もなく、「Cコンパートメント」最前方30列目の座席は足もとがかなり広い。 ブランドカラーは「藍色」と「曙色」の組み合わせで、藍色は藍染めから「丁寧な技法」、曙色は春の日の出の色として「心地よい暖かさ」を表現した。 改修初号機はJA803Aで、ANAへは2012年8月に引き渡され、12番目の納入となった機体。ラインナンバーはLN7で、787はLN1から6までが飛行試験機、LN7以降が量産機となっており、JA801AはLN8、2号機のJA802AはLN24であることから、LN順ではJA803Aがもっとも古い量産機となる。 AirJapan仕様の787-8は、2025年度までに6機体制とする計画で、JA801Aは2号機として4月に日本へ戻る見込み。成田-バンコク(スワンナプーム)線、ソウル(仁川)線に続く3路線目として、成田-シンガポール線を週5往復で4月26日に開設し、29日からソウル線、30日からバンコク線をそれぞれ週7往復(1日1往復)のデイリー運航に増便する。
Tadayuki YOSHIKAWA