【検証 福島県「総合計画前進予算」1兆2381億円】(4) 産業推進・なりわい再生 しごとづくり 移住就農者を支援
若者の福島県外流出に歯止めをかけ、県内への定着・還流を促進させるためには新産業の創出、既存産業の振興など産業基盤の安定・強化が欠かせない。県は八つの重点プロジェクトのうち「しごとづくり」に最多の990億円を充てる。全体の約3割を占める。 増加傾向にある新規就農者について、県外からの呼び込みを強化する。移住就農者の受け入れ体制を整え、初期費用の負担軽減などに取り組む。9129万円を確保する。 県によると、過去最多となった2023(令和5)年度の新規就農者367人のうち県外出身者は58人で15・8%にとどまった。移住者目線での就農支援を充実させ、本県の基幹産業である農業の担い手確保とともに人口減少対策にもつなげたい考えだ。昨年4月に開所した県農業経営・就農支援センターと連携し、モモやキュウリ、カスミソウなど本県が強みとする栽培品目の魅力などを伝える。 2年目を迎える「『感働!ふくしま』プロジェクト」関連事業には2023年度よりも約1億円多い4億3041万円を充てる。小中学生、高校生、その保護者に加え、大学生にもターゲットを広げる。県内高校からの進学者のうち約8割が県外の大学などに進んでいる現状を踏まえ、企業体験ツアー、就活サイトとの連携事業などを通し、福島県を離れた若者たちにも県内で働くやりがいを知ってもらう。
重点プロジェクトの一つ「産業推進・なりわい再生」には686億円を計上した。国家プロジェクト「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」の重点分野にも含まれるロボット産業の振興に向け、社会実装を見据えた実証試験などに力を入れる。4億8433万円を盛り込んだ。 =おわり=