「大坂の陣」の舞台は上町台地だけではない。八尾市で「大坂の陣と常光寺」展/大阪
夏の陣戦没者の250回忌法要も
戦渦に耐えた常光寺には、大坂の陣ゆかりの歴史資料が多数残っている。企画展では、夏の陣で使用されたとされる馬の鐙(あぶみ)や、戦況を記録した「河州八尾表若江表軍場図」などが展示されている。大坂の陣後、常光寺は藤堂家の菩提寺となり、夏の陣戦没者の法要が、100回忌法要、250回忌法要など、江戸時代を通じて営まれた。歴代の大坂城代、大坂町奉行なども参拝したという。 「歴史を大きく動かした大坂の陣は、上町台地で展開されたというイメージが強いかもしれないが、企画展の関連イベントで夏の陣跡を参加者と歩き、河内の戦いがあったことを実感してもらえた。長宗我部軍が鉄砲隊を配置した八尾河原の場所を確定することもできた。河内の戦いに注目することで、大阪の歴史をより深くとらえることができます」 武将の目で、農民の心で、さまざまな観点から大坂の陣とふれあえる好機だろう。企画展は6月30日まで(火曜日休館)。観覧料は大人200円、学生100円。詳しい問い合わせは同館(072・941・3601)へ。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)