通販管理 ファクス感覚で 一関高専生 運用システム開発
インターネット上のウェブサイトを通して通信販売を行うECサイトを、パソコンを使わずに開設して運用できる新たなシステムが、一関工業高等専門学校の学生によって開発された。一関市内の店舗で試験運用が始まっている同システムに必要なのは、ネットワークに接続できる無線プリンターと手持ちのスマートフォンのみで、ファクスのように注文情報を確認し、紙で発送管理ができる簡便さとアイデアが関心を集めそうだ。 開発したのは同校未来創造工学科化学・バイオ系5年の佐々木悠人さん(20)と同科情報・ソフトウェア系3年の原科幸一郎さん(17)の2人。同市大東町のIT企業アトラスオンライン関係者が、自家焙煎(ばいせん)コーヒーを販売するチャフ(同市)を訪れた際、パソコン操作が苦手という店主(74)から持ち掛けられた相談を親交のあった学生に伝え、約半年かけて準備を進めてきた。 「ファクス感覚でECサイトをFiXする、新しい仕組み」と題したシステムは、サイトで入力された商品の購入数や宛先などの注文情報が、システムを介して自動的に注文票となりプリンターから出力。商品発送後は注文票のQRコードをスマホのカメラで読み込むだけで発送記録が残るほか、購入者に発送完了メールが自動送信されるというもの。事業者はその都度パソコンで注文の確認や発送管理を行うことなく、注文票1枚で済ませることができる。 15日に店内へプリンターを設置し1週間がたったチャフでは、従来のファクスと変わらず受注管理できると好評。 2人は「パソコン操作に不慣れな高齢の方などにも、インターネットを使った新たなビジネスチャンスを提供できるようになれば」と期待を寄せる。