【男性の厚生年金】月額15万円で生活設計していたのに…老後の年金からも「税金・社会保険料」が引かれるのですね
厚生年金「月額15万円」から天引きされる税金・社会保険料はどれくらい?
老後に受給する年金から天引きされるものは主に以下の4つです。 ・所得税 ・住民税 ・国民健康保険料(75歳以上は後期高齢者医療制度の保険料) ・介護保険料 天引きされる金額は、年金額や住んでいる地域、家族構成などによって個々で異なります。 ここでは、税金や社会保険料がどれくらい天引きされ、手取りがどれくらいになるかをイメージしやすいよう、厚生労働省の「公的年金シミュレーター」にてシミュレーションを行います。 《年金月額が額面で15万円(年額180万円)の場合の天引き額》 ・所得税:0円 ・介護保険料:年間8万円 ・国民健康保険料:年間8万円 ・住民税:年間1万円 合計:年間17万円(月額1万4166円) ※上記はあくまでも概算となります。年度途中で住民税が変更されるケースもありますのでご留意ください。 シミュレーションの結果、年金月額が額面15万円の場合、月額約1万4000円が天引きされるため、月額の手取りは13万6000円となります。 年金から天引きされることを知らずに月額15万円で生活設計をしていると、月1万4000円分の調整が必要になります。 年額で17万円の誤差が生じることになるため、生活設計が大きく狂ってしまうかもしれません。 いざ年金を受け取るときに慌てることのないよう、公的年金に関する基本的な知識を理解して老後対策を進めていくと安心です。
安心して老後を迎えるために
厚生年金15万円以上の男性の割合と、そこから天引きされるお金があるということを確認してきました。支出額には個人差がありますが、厚生年金15万円は、天引きされるお金があることを踏まえると決して安心できる金額ではないことが分かりました。 それに物価上昇も加わると、老後生活は予想以上にゆとりのないものになりそうです。まずは自分がどれくらい年金を受け取れるのか確認し、必要であればいまからコツコツ準備をしていきましょう。貯金で準備するだけでなく、資産運用をしていく方法もあります。 iDeCoやNISAなど長期の資産形成に適した制度は揃っているので、自分に合った方法で準備を始め、安心して老後を迎えたいですね。 ●ご参考:厚生年金の受給額ごとの人数(女性) ・1万円未満:1万8838人 ・1万円以上~2万円未満:5649人 ・2万円以上~3万円未満:4万9991人 ・3万円以上~4万円未満:8万8044人 ・4万円以上~5万円未満:7万9829人 ・5万円以上~6万円未満:9万6142人 ・6万円以上~7万円未満:24万7838人 ・7万円以上~8万円未満:44万5242人 ・8万円以上~9万円未満:67万9961人 ・9万円以上~10万円未満:85万3550人 ・10万円以上~11万円未満:78万4733人 ・11万円以上~12万円未満:60万2971人 ・12万円以上~13万円未満:42万5915人 ・13万円以上~14万円未満:30万500人 ・14万円以上~15万円未満:21万7785人 ・15万円以上~16万円未満:15万8271人 ・16万円以上~17万円未満:11万3832人 ・17万円以上~18万円未満:7万6975人 ・18万円以上~19万円未満:5万1987人 ・19万円以上~20万円未満:3万6135人 ・20万円以上~21万円未満:2万3752人 ・21万円以上~22万円未満:1万5400人 ・22万円以上~23万円未満:9745人 ・23万円以上~24万円未満:5971人 ・24万円以上~25万円未満:3370人 ・25万円以上~26万円未満:1854人 ・26万円以上~27万円未満:916人 ・27万円以上~28万円未満:435人 ・28万円以上~29万円未満:178人 ・29万円以上~30万円未満:126人 ・30万円以上~:326人
参考資料
・厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省「公的年金シミュレーター」
矢武 ひかる