サッカー場で寄席とは、これいかに。神戸で「ウイング寄席」/兵庫
「世界で唯一」と関係者が声をそろえる“サッカー場”での寄席が神戸で行われている。神戸市兵庫区の「ノエビアスタジアム神戸」で2009年から毎年一度、開かれている「ウイング寄席」。6回目となる今年も5月11日に実施され、桂三歩、桂三若ら4人の落語を1200人の観客が堪能した。
「集客の目標は1000人だったが、それ以上の方が来て下さった。昨年も600人の目標で800人」と主催者の神戸ウイングスタジアム株式会社。サッカーJリーグ、ヴィッセル神戸の本拠地として知られる同スタジアムだが、年間の稼働率は最大でも90日前後。交通アクセスとして隣接する神戸市営地下鉄海岸線も年間60億の赤字を計上する。景気のよくない数字を打開策のひとつとして、神戸市の中でも下町情緒で知られる兵庫区の地域性を生かす催しとしてスタジアム寄席が登場した。 主催者側は「神戸といっても高齢者の方が多い地域なので、ジャズなどお洒落なものでなく、昭和レトロを表に出そうということだったのが当たっている」と、今後も毎年春に実施を予定している。 (文責 谷川しゅんき/関西ライター名鑑)