広島・小園 佐々木朗希撃ちに深まる自信「対応できた」準備生きた 令和の怪物から意地のマルチ
「広島1-3ロッテ」(8日、マツダスタジアム) 広島の小園海斗内野手(24)が朗希撃ちのマルチ安打を記録した。初回と六回に中前打を放ち、チーム全体の3安打中2安打をたたき出した。大瀬良大地投手(32)のノーヒットノーランから一夜明け、チームは逆転負けを喫して連勝も3で止まった。しかし、2位・巨人も敗れたため、首位はキープした。 【写真】朗希がヒヤリ連発 ベースカバーで足を滑らせ、小園の打球はあわや直撃 支配的な投球に、唯一抵抗し続けた。小園が佐々木朗希から意地の2安打を放った。敗れはしたものの、「マシンを速く設定したりして、速い球にも対応できるように準備してきたので、そういういい投手から打つことができたのでよかった」と自らの打棒に自信を深めた。 持ち味の積極性が生きた。初回2死一塁での1打席目は、初球の153キロ直球を強振。鋭いゴロは右腕の足元をかすめていき、中前へと抜けた。「追い込まれたら厳しいと思っていた。捉えることができて良かった」。1-3の六回2死では鋭く落ちるフォークをバットに当て、高いバウンドで中前へと抜けていく一打とした。 直球と変化球に、しっかりと対応。令和の怪物からの複数安打には大きな価値がある。「打席を重ねるごとに軌道だったりも見えてきて、しっかり入っていけたので、そういうところは成長したところかなと思う。対応できたのはよかった」と静かにうなずいた。 チームも難敵攻略へ早いカウントからの仕掛けを徹底。二回は矢野の振り逃げと石原の初球打ちによる中前打で1死一、二塁の好機をつくると、玉村の犠打と投手・佐々木の一塁への悪送球が重なり、二走・矢野がヘッドスライディングで生還した。新井監督も「あそこはすごくね、カープらしいというかね。ちょっとでも隙があったら突いていく走塁というのは、ナイスランだったと思います」と攻撃の形を評価した。 しかし、五回のピンチで三塁手・羽月がライナー性の当たりを後逸して逆転を許すと、打線も佐々木の前に最終的に3安打1得点のみ。昨年の交流戦に続いて右腕には2連敗となり、指揮官も「やっぱりスペシャルなピッチャーだなと思いました」と脱帽するしかなかった。 大瀬良のノーヒットノーラン達成翌日。時折強まった雨脚が前夜の熱気を冷ますようにナインの頬を打ち付けた。新井監督は「そういうピッチャーと対戦できたので、若い選手はさらなる成長につなげてほしいなと思います」と自軍の選手たちに期待を込めた。大事なのは連敗をしないこと。朗希との対戦を糧にして、カード勝ち越しはつかんでみせる。