飲酒死亡事故 現場で何が起きたのか?防犯カメラ映像を専門家が分析【熊本】
テレビ熊本
この事故について特集でお伝えします。 繰り返される飲酒運転による悲惨な事故。現場ではいったい何が起きていたのか? 防犯カメラの映像と専門家の分析を交えて深掘りします。 【花を手向けに来た人】 「飲酒運転は許せない。何でも話ができる人だった(と聞いている)」 【近所の人】 「ガシャーンとぶつかる音で、すごい音だった。(車と電柱に挟まれた)女の子を助けるのに必死だった。あってはならないこと」 飲酒運転による悲惨な事故がまたしても起きた。 6月15日午前4時すぎ、熊本市中央区細工町の交差点で、飲酒運転の車が歩道に突っ込み、知人と歩いていた横田 千尋 さんをはねた。 横田さんは車と信号機の柱に挟まれ、その場で死亡した。 運転していた男の呼気からは基準値の約2倍のアルコールが検出。 警察は、ホストクラブ従業員、松本 岳 容疑者を過失運転致死と酒気帯び運転の疑いで逮捕・送検した。(過失運転致死、酒気帯び運転の疑い) 【前田 美沙希 記者】 「車は前方部分が大破し、助手席側のドアが大きくへこんでいます。事故の衝撃がうかがえます」 現場は、熊本市電・祇園橋電停のすぐ近く。現場周辺にある複数の防犯カメラが事故直前の様子を捉えていた。 こちらは死亡事故の現場から100メートルほどの距離にある防犯カメラの映像。画面向かって斜め上が現場方向。それとは逆方向に走るトラックの後ろに1台の車が続く。この車を運転していたのが松本容疑者とみられている。 捜査関係者などによると、現場から逆方向に進んでいた車はこのカメラの先でトラックに追突する事故を起こしたとみられている。 その後、異変が…。車が猛スピードで今来た道をバックで引き返した。 まるで逃げるようにバックで走る車。その様子はさらに別のカメラにも捉えられていた。 バックで走り去る車は、この後、歩道にいた女性をはねて死亡させる事故を起こしたとみられる。 交通事故の分析などを専門とする交通事故鑑定人の熊谷 宗徳 さんは次のように分析する。 【元交通捜査官・交通事故鑑定人 熊谷 宗徳 さん】 「あのバックの速度は尋常ではない。必死で何かから逃げているように見えた。(時速)60キロ以上は出ていたのではないか」 女性をはね信号機の柱に突っ込んだ車は正面を向いていた。 バックで走っていた車に何があったのか? 【元交通捜査官・交通事故鑑定人 熊谷 宗徳 さん】 「左側が衝突したことで車が時計回りに回転しながら正面を向いて電柱に衝突した。その際に歩道上にいた被害者が巻き込まれてしまった。ハンドルもブレーキもどんな操作も利かない状況で車が回転して、ぶつかるまで何もできない状況だったと思う」 これまでの調べで、松本容疑者が事故前日の夜、熊本市内のホストクラブに出勤していたことが分かっていて、飲酒運転の経緯についても捜査を進めている。
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