戸田奈津子“インディ博士”ハリソン・フォードは「バディ」「PAL」 「自分をアクターって言わない」素顔明かす
字幕翻訳者・戸田奈津子氏が10日、都内で行われた「『午前十時の映画祭14』開催記念『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』トーク付特別先行上映」に出席した。 【写真】穏やかな表情でスターの人柄を語った戸田奈津子氏 「インディ・ジョーンズ」シリーズの字幕翻訳を担当した戸田氏は「40年後も5作目をやるなんて」と感激。同シリーズでインディ博士を演じるハリソン・フォードと1978年の『スターウォーズ』来日キャンペーンで通訳を担当した出会いから37年来の付き合いがある戸田氏は「お芝居ですが、(最新作では)歩く姿も現代の場面では足元が危ない。私もハリソンと同じく年を取ったんだとショックでございました。このシリーズはこれで終わりと言う終わり方をしていました。40年にわたってこのシリーズを担当させていただいて、冥利に尽きると思っております」と心境を語った。 ハリソンと出会った当時について戸田氏は「ハリソンは、苦労した人で20歳からニューヨークに出て、役の来ない貧乏なアクターだったんですが、『スターウォーズ』をやることになって日本に宣伝に来たわけです。でも、まだ誰も彼を知らないんです。最初から最後までビックになっていくのを見たのは彼です」と振り返った。 続けて「あれほど変わらない人はいない。飾らない。スターぶらない。スター扱いが大っ嫌いな人で自分をアクターって言わないの。『I’m storyteller』って言うの。謙きょな役者で、話を物語る人に徹している人でそれは今も変わりません」と素顔を明かし、「たいていの場合、お付きを連れてくる人もいるのに、彼は単身で来るくらい特別扱いが嫌いな人。同じ時代から映画が好きでその道を貫いた“バディ”“PAL(親しい友達のこと)”という気持ちがしています」と語った。 「午前十時の映画祭14」では、「また見たい名作」「ずっと気になっていた名作」「知らなかった名作」を劇場の大スクリーンで鑑賞できる。5日から新たな上映作品19本(外国映画15本、日本映画4本)、再上映作品8本の全27本を全国65劇場で約1年にわたって順次上映する。 【「午前十時の映画祭14」ラインナップ】 ■新規セレクト外国映画(15本) 『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年) 『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989年) 『ベルリン・天使の詩』(1987年) 『パリ、テキサス』(1984年) 『シャイン』(1996年) 『フェーム』(1980年) 『マッドマックス』(1979年) 『マッドマックス2』(1981年) 『花様年華』(2000年) 『男たちの挽歌』(1986年) 『プライベート・ライアン』(1998年) 『スターリングラード』(2001年) 『カジノ』(1995年) 『スカーフェイス』(1983年) 『ネットワーク』(1976年) ■新規セレクト日本映画(4本) 『宗方姉妹』(1950年) 『小早川家の秋』(1961年) 『妖星ゴラス』(1962年) 『海底軍艦』(1963年) ■アンコール上映(8本) 『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981年) 『ティファニーで朝食を』(1961年) 『チャイナタウン』(1974年) 『ひまわり』(1970年) 『戦場にかける橋(1957年) 『ドクトル・ジバゴ』(1965年) 『アメリカン・グラフィティ』(1973年) 『雨に唄えば』(1952年)