「空中のF1」予選9位の室屋に逆転Vの可能性は?
しかも、決勝ラウンドは1対1のノックアウト方式での勝ち抜き戦。予選の順位から上位と下位で組み合わせが決められるが、9位からの大逆襲がおきてもおかしくない。対戦相手のソノカは、35歳の元チェコの空軍パイロットだが、エアレースの参加は、2シーズン目で5年ぶり。経験豊富な強敵とは言えず、つけいる隙はある。予選タイムも、わずか0.405秒差しかない。 ひとつ勝つと、次はポール・ボノム(イギリス)と、ハンネス・アルヒ(オーストリア)の勝者。おそらく過去2度の総合優勝経験のあるボノムが勝ちあがってくるだろう。彼は、ジャンボジェットのボーイング747の現役機長で、今季初戦のアブダビも制している優勝候補の一人。このレースが室屋にとってファイナル4進出をかけた正念場のレースになるだろう。 「多くのみなさんに応援してもらって励みになった。(地元開催で)プレッシャーがあるだろうとも言われるが、応援があってこそ、ここにたどりついた。明日は、これだけ多くの人に見てもらえるんだからレーストラックに集中してフライトに専念したい」 明日の決勝ラウンドも、約6万人の観客で幕張の砂浜が埋めつくされる模様。室屋のサムライフライトへの大きな後押しになることは間違いない。 また、この日、レースディレクターのスティーブ・ジョーンズ氏は、「多くのファンが見にきてくれた。また来年も日本に戻ってきたい。千葉以外の会場の可能性もある」と、来季もレッドブルエアレースの日本開催について前向きに考えていく意向を明らかにした。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)