生成AI「どう使えば良いかわからない」23%…日本企業の戸惑い浮き彫りに【経営者・管理職へのアンケート調査】
クラウドシステムや生成AI(人工知能)を手掛けるFIXERの経営者や管理職へのアンケート調査によると、生成AIを使わない理由で最も多かったのは「特に必要としていない」だった。次に多かったのは「どんな業務で使えば良いかわからない」で、新たな技術をどう使えば良いかがわからず、戸惑う日本企業の姿が浮き彫りになった。米国では生成AIの導入が進みつつあり、この分野で日本がさらに遅れを取れば、今後の生産性の伸びにも影響を与える可能性がある。以下、アンケート調査の結果を詳しく見ていく。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
「生成AIの利用方法がわからない」も多く
FIXER社は、全国の従業員300人以上の企業を対象に2023年10月17~20日にアンケート調査を実施し、800件の回答を得た。情報・通信のほか、金融・保険、不動産、流通・小売りなどの企業が対象となった。 アンケートで、生成AIを少なくとも業務で利用していないと回答した人を対象に「利用しない理由」を尋ねたところ、「特に必要としていない」が57%を占め、最も多かった。「どんな業務に使えば良いかわからない」が23%、「生成AIサービスの利用方法がわからない」が14.2%で続いた。生成AIの用途がわからないだけでなく、「プロンプト」と呼ばれる指示や質問の仕方がわからないケースも想定され、普及にあたっては用途や方法を理解してもらうことが重要になりそうだ。 このほか、「生成された結果が適切でなかった」との回答は2.4%にとどまった。これらの結果は、生成AIの能力よりも、日本企業がどのように業務にいかしていくかがわからないのが現状であることを示している。
「業務での利用が認められれば、利用する」の声も
アンケートで「どんな条件が満たされれば業務で利用したいか」と質問したところ、最も多かったのは「業務での利用が認められた時」が44.8%だった。一部の生成AIで情報流出があったことから、業務での利用を認めていない企業もあるためとみられる。 このほか、「使い方がわかった時」が28.2%、「生成結果の精度が向上した時」が25%で続いた。生成AIが開発・発表されて1年以上が経つが、生成AIの有効な利用の仕方がわからないとの声は根強い。本格的な普及には、関連業者が使い勝手の良いサービスを提供したり、啓蒙活動をしたりすることで企業や個人の理解を深めることが重要だといえそうだ。
岡安 英俊
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