11か所骨折の大ケガから奇跡の復帰! 地元静岡で4か月ぶりの実戦、勇断の渡邉栞奈「競輪選手を続けたい」/ガールズケイリン
静岡競輪「オッズパーク杯(FI)」は14日に最終日を開催。この開催で4か月ぶりに復帰し、5Rのガールズ一般に出場した渡邉栞奈(28歳・静岡=122期)に話を聞いた。(netkeirin編集部) 7月25日の街道練習中の事故により、全身11か所の骨折という大ケガを負ったことを明かしていた渡邉栞奈。事故後は意識不明に陥り、日常生活もままならずガールズケイリン復帰への道のりは相当過酷なものと思われた。 「練習中の落車で記憶がなかったんです。ケガは頸椎(けいつい)、右肩鎖関節、胸椎、ろっ骨、横突起の骨折に肺気胸。顔の右ほほにプレートが入っています。それでも選手を辞めようと思ったことはありませんでした。10月くらいから練習を始めて、母は復帰に反対でしたが、私は競輪選手を続けたいと思いました」 懸命なリハビリの末、12日に4か月ぶりの実戦復帰を迎えた。地元静岡バンクでの復帰戦に、ファンからは温かな声援が送られた。 「復帰1走目はキツかったです。並走になったとき、体が硬くなってしまい脚がいっぱいになりました。2日目も3日目もキツかったですが、それでも現場に戻ってこられてよかったです。今回は杉沢毛伊子(39歳・静岡=104期)さんにもらったプロテクターを付けてレースに臨みました。開催に同期はいなかったけど、山口真未さん(33歳・静岡=120期)や鈴木奈央ちゃん(27歳・静岡=110期)がいて刺激になりました。開催に来るとみんな頑張っているし、自分も頑張らないとっていう気持ちになりました」 3日間の成績は7着、7着、5着と厳しい結果であったが、一度は命の危険も迫ったなかで再び自転車にまたがり、大きな一歩を踏み出した。 「落車して休んでしまい、体重も落ちて、太ももも細くなってしまったけれど、少しずつ戻ってきています。今期は出走回数不足で見なし点数が付くのは仕方ない。1月からの来期は47点以上を取れるようにしていきたいですが、まずはケガをする前の状態に少しでも近づけるように練習をしていきます。いきなり高い目標を立ててしまうと苦しいので、一つでもいい着を目指して頑張っていきます」 ダービー王の父・渡邉晴智(51歳・静岡=73期)と弟の渡邉雅也(23歳・静岡=117期)からはレース前「やりたいならやればいい」と声をかけられたという。周囲の後押しを受け、勇気を持って立ち上がった渡邉栞奈をぜひ応援してほしい。