日産、新たな検査不正で会見(全文1)11車種・約15万台をリコール
リコール対象車種・台数と再発防止策
本田:では次にリコール対象車種、台数について。リコール対象車種およびその台数規模についてご説明いたします。対象車両につきましては、お手元の広報発表資料にあるとおり、追浜工場で完成検査を行っているノート、リーフ、ジューク、シルフィー、キューブならびにマーチと、オートワークス京都のアトラス、シビリアン、いすゞさまに供給しているエルフとジャーニーならびに三菱ふそうさまに供給しているキャンターガッツの11車種がその対象です。対象期間につきましては現在、実施しておりますリコールの対象期間以降が、その対象となります。本事案が判明し、対策を実行する前までの2018年10月17日までにオフラインした車両が対象です。完成検査のベースはお手元の資料に記載してありますとおり、2017年11月7日から2018年10月25日までです。台数規模は現在、精査中ではありますが、合計で約15万台でございます。今後、リコール対象車両の詳細を確定し、12月13日に国土交通省さまにリコールの届け出を行う予定です。 次に、完成検査体制における再発防止の強化策につきまして、ご説明いたします。2018年9月26日付にて発表の、「完成検査における不適切な取扱いへの対応等について」に記載してありますとおり、現在、再発防止策77項目について着実に実行していくことが重要だと考えております。ただし、今回の事案の背景には作業員の業務の動作に関する解釈に余地が残されていたことや、禁止事項についての理解不足がその主要因の1つであると思われるため、以下の点を新規に追加し、再発防止策の強化を図ることといたしました。 1つ目は、個別作業に関する禁止事項の周知、徹底を図ってまいります。具体的には標準作業書、私どもは作業の手順を定めている標準作業書というものを製造、あるいは品質保証の現場で使用しておりますが、その標準作業書に禁止事項の記載を追加し、標準作業における禁止事項の確認と教育を実施してまいると。2つ目は、完成検査任命教育において、禁止事項の教育を追加し、実施してまいります。3つ目は、完成検査工程全般における作業観察を見直し、標準作業の順守に加え、新たに禁止事項等の不適切作業を監視すること、以上の3点であります。 次にチェック機能の強化でございます。まず、検査員の作業観察をするとともに、検査員が相談できる作業監視員を検査ラインに新たに配置いたしました。また、標準作業の手順順守を確認するためのカメラを検査ラインに新たに設置しました。これらの対策は全工場共通で、追浜工場より順次導入を開始いたしました。 また、今後は不適切な取り扱いや、それらの行為が物理的に実施不可能にするために、今回のリコールの対象となった各行為において、物的対策を順次進めてまいる所存です。事案1と事案2のブレーキペダルと駐車ブレーキレバーに関しては、ブレーキ制動力の検査中に駐車ブレーキと主ブレーキ、主ブレーキとは前輪、後輪のブレーキのことですけども、この主ブレーキを同時に操作した場合、自動的に検査無効とするブレーキ検査装置に制御装置を追加いたします。併せて、検査の装置の上で車両姿勢が変動する結果、ブレーキ検査結果が不安定になるという現象の発生を止めるため、ブレーキ検査装置に輪留めを設置いたしました。 事案3と事案4は、これはステアリングの切れ角に関する行為につきましてですが、ステアリングの切れ角検査の過剰であった社内規格値を設計値に合わせて、今回適切な値に見直しました。また、ステアリング切れ角検査装置に制御機能を追加し、ステアリング切れ角検査開始時に、ステアリングを切った状態からは検査が開始できないというふうに対策をいたします。 事案5のスピードメーターの検査におきましては、車載メーターによる計測で時速40キロになったところでひもを引き、速度が1秒間規格内に収まらなければ無効とするというようなスピード判定プログラムに変更いたします。事案6のサイドスリップ検査においては、車両速度測定器による通過速度の確認と、通過速度が規定内であることを判定するランプを設置いたしました。これはまず追浜工場から始めております。 最後にまとめになりますが、以上、不適切な事案の詳細についてご説明をさせていただきました。当社は物づくりに直接関わる部署に限らず、法規・法令順守に関する仕組み、体制、プロセスの総点検を全社的な活動として徹底的に行っております。法令順守の徹底を重要な経営課題と捉え、これらの活動を通じて問題が発見された場合には責任を持って適切な処置を講じ、あらゆる業務における法令順守、コンプライアンス意識の醸成、徹底を図ってまいる決意でございます。今後もこのような取り組みを確実に実施し、お客さまをはじめ、あらゆる関係者の皆さまからの信頼回復に努めてまいる所存です。 以上が私からの説明でございますが、一連の問題で皆さまをお騒がせしていることに対して、あらためて深くおわび申し上げます。 司会:では、続きまして質疑に入らせていただきたいと思います。ご質問のある方は挙手をお願いいたします。スタッフがマイクをお持ちいたしますので、そのマイクを通してご質問をいただければと思います。大変恐縮ですが、お1人さま2問まででお願いできればと思います。では、ご質問のある方は挙手をお願いいたします。 【書き起こし】日産、新たな検査不正で会見 全文2に続く