プレミア12で米国に惜敗した背水の侍Jは打線改造で蘇るか?
野球の世界一を決める「プレミア12」のスーパーラウンド第2戦が12日、東京ドーム、ZOZOマリンで行われ、日本は米国と対戦し3-4で惜敗、台湾でのオープニングラウンドから続いていた連勝が4でストップした。スーパーラウンドには、オープニングラウンドの1、2位チームの対戦成績が反映されるため、日本は、これで2勝1敗となった。韓国も、この日、台湾に0-7で完敗したため、首位が全勝のメキシコで、日本と韓国が2位で並んだ。今日13日のメキシコ戦に日本が敗れると決勝進出の条件である2位圏内から転落することになる。
シフトディフェンスの罠にはまる
ガラガラの東京ドームが不気味に静まり返った。 1点を追う9回。オリックスのディクソンが米国のクローザーとしてマウンドに立ち、三塁でスタメンに抜擢されていた外崎(西武)と丸(巨人)が連続三振。そしてジャンプした際に首に違和感を訴え7回で退いた菊池(広島)に代わって2番に入っていた山田(ヤクルト)の詰まった打球がショートの前に飛ぶと主催者発表で2万7827人の観客はゾロゾロと出口へ向かった。 稲葉監督はしばらく腕組みしたままだった。 3-4の惜敗。オープニングラウンド、スーパーラウンドを通じて5試合目にして初黒星を喫した。しかも、メジャー実績者が野手には一人もいないマイナーでも若手主体の米国を相手にだ。 「負けてはしまいましたが選手は全力でやってくれた。(先発の)高橋礼も、失点したが粘り強く最少失点で投げてくれた。打線も粘り強くやってくれた。でも結果がすべて。それは私の責任」 稲葉監督は潔かった。 先発の“サブマリン”高橋礼(ソフトバンク)は米国に丸裸にされていた。 2番のアデルが言う。 「(映像などを)見てきた。高橋礼は様々に形を変えて配球してくることもわかっていたし、他のリリーフもボールを動かすことがわかっていた」 サブマリンへの予習がされて狙い球が絞られていた。 「真っすぐにタイミングを合わせられていたと感じて慎重になった。今までになかった感覚。対応力はさすがと思った」 高橋礼のコントロールが微妙に狂う。甲斐(ソフトバンク)はインサイドを積極的に使おうとしたが、ライジングボールを使った立体的な配球にできず米国打者のタイミングを大きく崩すことはできない。 2、3回と、いずれも先頭打者に二塁打を許し、それを得点につなげられた。米国は、3回には、日本の“お株”を奪う三塁への送りバントまで繰り出した。 わずか2点でも、それが重々しく感じるのが、今大会で波に乗れない侍ジャパンの打線である。 米国の予告先発が、コンディション不良により、急遽、ハウクからマーフィーに代わり、打線を組み直さねばならないアクシデントもあったが、その代役先発に対して3回までノーヒット。立ち上がりに二死から近藤(日ハム)、鈴木(広島)が連続四球を選び先制チャンスを作ったが、打席にDHの吉田(オリックス)を迎えたところで、米国は大胆なシフトディフェンスを敷く。ショートは二塁ベースの後方よりさらに一塁側を守り、セカンドも通常の一、二塁間のあたりを深く守った。 「スカウティングレポートをもとにパワーのあるバッターに対しては引っ張りに対応してシフトを取った」とは米国のブローシャス監督。吉田がタイミングを崩されてひっかけたゴロは、そのセカンドの正面へ飛んだのである。