F1、ラスベガスGPで巨大球体施設”スフィア”を活用。こけら落とし公演開催中のU2ボーカル”ボノ”語る「F1はロケットに乗り、宇宙に行かず地球に留まるようなモノ」
ラスベガスの中心部を舞台に今年初開催されるF1ラスベガスGP。この地には今年の9月に、スフィアと呼ばれるハイテクイベント施設がオープン。ラスベガスGPでもこの施設をフル活用するという。 【サーキット解説】F1ラスベガスGPのサーキットを、F1 23のオンボード映像でチェック! このスフィアをどう活用するのか? F1のオーナー企業であるリバティ・メディアのグレッグ・マッフェイCEOが説明した。 スフィアは総工費23億ドル(約3500億円)を費やした施設で、今年の9月にオープン。施設の内壁と外壁は16Kの超高解像度スクリーンで覆われ、16万個以上のスピーカーが埋め込まれている。それにより、スピーカーや専用のゴーグルなしてVR体験ができるという近未来的施設で、約1万7000人を収容してコンサートなどを行なうことができるように設計されている。 このスフィアは、ラスベガスの街中、グランプリのサーキット横に存在。そこに巨大な”目玉”が存在するような、異様な風景を醸し出す。 9月29日には世界的に有名なロックバンド『U2』がここでこけら落としライブを行ない、以後週に2~3回という頻度でライブを開催。またU2のライブが開催されない日にはVRの体験プログラムも用意されていて、60分程度のプログラムを約1万円(69ドル)から体験できるという。 なおU2のコンサートは、ラスベガスGPのために11月4日の公演を最後に一時中断。グランプリ開催後の12月1日に再開し、来年2月まで続けられる予定だ。 F1のオーナー企業であるリバティ・メディアは、ラスベガスGPのコースがスフィアの周りを通っており、周囲の土地の一部が開催のためにはどうしても必要だったため、スフィア側と契約を結ぶ必要があった。 リバティ・メディアのマッフェイCEOは、同社がスフィアの土地使用料の一部を埋め合わせ、期間中はスフィアを事実上閉鎖することになると語った。 「我々は内部的にも外部的にも、球体(スフィア)を事実上リースする関係にある」 そうマッフェイCEOは語った。 「レースは球体を中心として行なわれる。そこで我々は、彼らの財産を活用するのだ。当社はレース期間中、スフィア上の広告を全て扱う。これは固定料金で使っていただくことができる」 「我々はいくつかの(スポンサーシップ)契約をまとめ、レース期間中に広告を直接販売し、費用の一部を賄うことができた。我々は彼らの土地を使う必要があるので、それは必要な費用だったのだ」 「それに加えて、スフィアの時間をリースし、そして他に貸し出すことは、我々にとって収益を得るための機会でもある」 マッフェイCEOは、今回は初開催かつスフィアが完成したばかりだったということもあり、準備時間が限られていたものの、将来的にはラスベガスGPでスフィアをもっと活用することを考えていると明かす。 「我々はスフィアと長期的な関係を構築しており、今後さらに多くのプログラムを導入することになると思う」 「今回はスフィアが完成するかどうか分からなかったし、自分たちのことをやり遂げるので忙しかったので、組み合わせてプログラムを組むのが困難だった」 「しかし今後数年間は、さらに多くのことが起きると思う。多くの人たちが、なぜ今週末にU2がいないのか? と言うが、我々としては何が起きるのか分からなかったのだ」