熱中症搬送2カ月で1159人、まだまだ続く猛暑の中で屋外レジャーを楽しむ秘訣を専門家がアドバイス 海で活躍する素材、山で役立つ準備は…
鹿児島県内各地で、気温が35度を超える猛暑日が続いている。夏休みに屋外レジャーを楽しむためにも熱中症対策は欠かせない。海と山に詳しい専門家は「海には適度に乾きやすい化学繊維の服がベター」「山には凍らせたペットボトル飲料を持参して」と助言する。 【写真】猛暑日が続く鹿児島市。仙巌園内でドライミストに癒やされる観光客ら
7月31日、鹿児島市の磯海水浴場は午前中から家族連れらでにぎわっていた。2人の子どもと水遊びを楽しんでいた同市の整体師橋元大典さん(36)は「海に入る前に塩をひとつまみ口に含んだ。1人1リットルの水を用意して、小まめに飲むようにしている」と熱中症予防に気を使っていた。 桜島を中心にシーカヤックやカヌーなどのツアーを提供する「かごしまカヤックス」は、15分置きの水分補給を徹底している。またクールダウンするため、客には服を海水でぬらすように声をかけている。気化熱を利用して体温を下げるためだが、ガイドの浦哲郎さん(25)は「綿の服は乾きにくく低体温につながることもある。化学繊維の服なら適度に乾きやすい」とアドバイスする。 「夏場の山登りは早い時間を選んで」と話すのは、霧島連山でパトロールを続ける諏訪俊郎さん(65)=霧島市=だ。気温が高くなる前に午前9時までには登り始めた方がいいという。計画と準備が大事な山登り。「下りるための体力を残し、時には引き返す勇気も持ってほしい」と話す。
登山道の情報を提供する自然公園財団高千穂河原支部の修行祐太主任(40)が勧めるのは、500ミリのペットボトル飲料2本を携帯し、1本は凍らせておく方法だ。体を冷やせる上、一気に飲み干すのを防げる。薄い長袖シャツを着るのも効果的で、日よけや虫よけになる上、気温差が大きい山では寒さ対策にもなる。 県によると、6月1日~8月1日に1159人が熱中症かその疑いで搬送された。気象庁は向こう1カ月も全国的に高温となり、8月前半は猛暑日が多くなると予測し、熱中症対策を呼びかけている。
南日本新聞 | 鹿児島