【パティシエが教える、奥が深いお菓子の世界Vol.12】パイとタルト、そしてガレットの違いは何? ①
パイは包む、タルトは乗せる! ?
パイは包む、タルトは乗せる! ? タルトはフランス語(「tarte」)で、もともとはラテン語の「tourte(トゥールテ)=丸い皿のお菓子」から来ていると言われています。そのことからもタルトは、もともと器があって、そこに何かを乗せ焼き上げるのがタルトお菓子の起源になっているようです。「なので、器にはめ込んで作っていれば、生地がパイのような折り生地であってもタルトということもあるんです。例えば、アップルパイといちごタルトをイメージしたときに、アップルパイは生地の中に煮詰めたリンゴを包み込んで焼き上げるのが一般的ですよね。いちごタルトは、器に敷いた生地にイチゴやクリームが乗せて焼き上げます。包むか器に乗せるかが、パイとタルトの違いと言っていいと思います。端的に言ってしまうと、完成されたスイーツの形状(乗せているか、包んでいる)によって、パイとタルトは分けられていると思ってもらうといいかもしれないですね」では、もし器に生地を敷いて、その上にいちごやクリームを乗せ、さらにその上を生地で覆ってしまったら、それは「いちごパイ」になるのでしょうか? 「それはいちごパイかもしれないですね(笑)。でもそれをいちごタルトとして提供しているお店もあると思います。それは間違いではなく、それぞれのお店の考え方や商品に込めた思い、作り方によって、違ってくるんです」では、そのパイとタルトと、ガレットは何が違うのか。それは、次回のお楽しみに……。
教えてくれたのは……
パティシエ:大澤智弥さん(プロフィール)専門学校を卒業後、ビゴ東京に入社。その後「レストラン シェ・イノ」、「ホテル雅叙園東京」、「アングラン」などを経て、「こむぎのおいしいおかし」ほか、ガレットデロワ専門店「Galet Galet(ガレ ガレ)」のシェフとして活躍している。ufu専属パティシエ。
ウフ。編集部 井上司