沖縄県ハンセン病問題シンポジウム 差別や偏見の解消につなげる
沖縄テレビ
国の誤った隔離政策で苦しんだハンセン病回復者や、その家族への理解を深め、差別や偏見の解消に向けた県主催のシンポジウムが那覇市で開れました。 シンポジウムでは、ハンセン病回復者の平良仁雄さんが登壇し、沖縄は全国で最も多くのハンセン病回復者や、その家族がいることに触れた上で、いまだ偏見や差別を恐れながら暮らしている現状を訴えました。 平良仁雄さん: 「私たちの仲間が自分の過去を恐れ、地域の医療機関、各市町村役場窓口に行くにも躊躇し、地域の支援サービスも受けられずに生きているのが現状です」「廃止されたはずの『らい予防法』は今もなお生きて私たちの心を痛め続けています」 また、両親がハンセン病で生まれた直後に引き離され、学校や地域で無視されたり嫌がらせを受けたりした経験のある、回復者家族の女性も登壇しました。 女性はハンセン病回復者のことは少しずつ社会に認知されているが、その家族が受けてきた偏見や差別はほとんど知られていない現状を憂い、今回参加を決めました。 ハンセン病回復者の家族: 「家族が受けてきた偏見・差別とか被害が世の中に知られなくて無かったことにされる、歴史にも刻まれることなく無くなっていくというのは耐えられないなという思いがあって、目は口程に物を言うというけど、本当に周りの視線を気にしての生活っていうのはやっぱりすごく嫌だった」 女性は、回復者もその家族も素性を隠さずに生きられる社会を目指すためにも、積極的な啓蒙活動の大事さを訴えていました。 シンポジウムでは、県の担当者や有識者が登壇し、ハンセン病に対する県民の理解を促し、差別や偏見の解消に向けた取り組みを推進していくことを確認しました。
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