動物福祉から肉牛ブランド化期待
北海道釧路町・標茶町広域連携ブランド化推進調査研究会(会長・小松茂釧路町長)は8日、釧路町地産地消センター「ロ・バザール」で、雑海藻を餌に肥育した肉牛の調査研究報告会と試食会を行った。牛のメタンガス(げっぷ)排出抑制効果は見られなかったものの肝疾患がなく、アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点からブランド化に向けた期待が寄せられた。 両町は2021年、互いの特産品を生かしたブランド化推進で協定を締結。22年には両町の関係者や専門家らでつくる同研究会を立ち上げ、「未利用海藻の飼料化」「実験海藻餌がもたらす牛のメタン排出抑制効果実証実験」「海藻を給与した牛の商品・製品化に向けた検討」を主課題に調査研究を進めている。釧路町産雑海藻を餌に、標茶町内のジュンちゃん牧場(齋藤丈代表取締役)で肉牛を肥育。昨年度はホルスタインの雄牛4頭にホンダワラ、今年度は黒毛和種の繁殖廃用牛3頭にホンダワラと同じく未利用のスジメを餌に与えた。 試食会ではビーフカレーとステーキが振る舞われた。参加者からは「柔らかく食べやすい」などの声が寄せられた。小松町長は「違う海藻で抑制効果を調べたい。アニマルウェルフェアの面から消費者に健康な牛をアピールしたい」、佐藤吉彦標茶町長は「課題や可能性、方向性が見えてきた。海岸と内陸部の自治体が連携し、新たなブランド化を目指したい」と述べた。同研究会では今後も調査研究を進める方針。
釧路新聞