〔東京外為〕ドル、一時159円台前半=2カ月ぶり、米利下げ観測後退(21日正午)
21日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米国の利下げ観測後退などで、一時1ドル=159円台前半と2カ月ぶりの高値を付けた。正午現在は、158円94~96銭と前日(午後5時、158円26~28銭)比68銭のドル高・円安。 前日の米国時間の序盤は、週間新規失業保険申請件数や6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数の予想下振れを受けて売りが先行し、158円20銭台に下落した。その後は、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が「インフレ率が2%に戻るには1、2年かかるだろう」と述べたことからじり高となり、終盤には158円90銭台へ水準を切り上げた。 東京時間の午前は、時間外取引での米長期金利上昇や国内輸入企業の買いで、159円10銭台と政府・日銀が介入を実施したとみられる4月29日以来、約2カ月ぶりの高値を更新した。その後は、週末を控えた利益確定や持ち高調整の売りに押され、158円80銭台に緩んだ。神田財務官が朝方、「過度な変動がある場合には、適切な対応をしっかりと取っていく」と円安進行をけん制したが、ドル円への影響は限定的だった。 ドル円は、FRBによる利下げ先送り観測などから、上値を試す展開となった。市場では「米利下げは早くても9月とみており、それまで日米金利差は縮小しない」(シンクタンク)との見方が広がっている。米財務省為替報告書で日本を「監視対象」に再指定し、日本政府・日銀は介入しづらくなったとの思惑が浮上していることも、ドル円の強材料になっている。 ユーロは朝方に比べ対円、対ドルで強含み。正午現在は、1ユーロ=170円35~35銭(前日午後5時、169円73~74銭)、対ドルでは1.0716~0717ドル(同1.0724~0724ドル)。