漁業の魅力や情報を一元化 県、就業支援サイト開設
本県水産業の担い手確保・育成に向け、県は漁業就業支援サイト「やまがた漁業START」を開設した。漁業の魅力や就業に関する研修・支援制度を一元的に掲載しているのが特徴で、若手漁師らが思いを語るコーナーも制作した。本県漁業者は減少の一途をたどっており、新たな担い手を呼び込み、持続可能な水産業の実現を目指す。 サイトでは主な漁法や魚種、就業までの流れなどをまとめている。はえ縄や磯見漁、一本釣り・刺し網を始める際の初期投資額(目安)や年間収益例を挙げ、漁師としての暮らしをイメージしやすくした。 先輩漁師へのインタビュー記事では、鶴岡市鼠ケ関で生まれ育ち、底引き網漁船で乗組員を務めた後に独立した若手男性漁師をはじめ、漁師を目指して宮城県から酒田市に移住し、日々奮闘する女性などを紹介。「漁では絶対に魚を釣る覚悟が求められるが、『今日はどんな魚に会えるんだろう』と毎日がドキドキの連続」など、地元水産業の現状や魅力、やりがいといった現場の声を集めた。
農林水産省の2023年漁業センサス(統計調査)によると、県内の漁業就業者は13年の474人から23年には292人と4割近く減った。温暖化の影響などでスルメイカやハタハタといった主力魚種の水揚げ量は大きく落ち込んでいる。漁業振興には人的基盤の強化が不可欠で、県はサイトを通じて漁業をより身近に感じてもらう考えだ。 今後、サイトへのアクセス情報を分析し、興味や関心が高いユーザー層を対象とした記事やコンテンツを充実させる。県水産振興課は「就業希望者らが本県漁業に触れ、問い合わせをしやすい環境を整えたい」としている。