アイナ・ジ・エンド&アオイヤマダのダンス対談「これだけは譲れないこと」「BiSHの振り付けで意識したこと」
アイナ・ジ・エンドがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「SCHOOL OF LOCK! アイナLOCKS!」。1月30日(火)の放送は、ダンサー・表現者のアオイヤマダさんがゲスト出演し「ダンス対談」をおこないました。アオイさんがステージ上で“これだけは譲れない”と思っていること、アイナがBiSHの振り付けを考える上で意識していたことについてのトークを紹介します。
◆ステージ上で“これだけは譲れない”こと
アイナ:アオイちゃんとアイナは、2023年の3月ぐらいからかな? 「Red:birthmark」のMVを機に、割と2人でステージに立つことが多くなったんですけど。アオイちゃんが、ステージ上で“これだけは譲れない”、“これは気にしている”っていうことはあったりしますか? アオイ:背中! アイナ:背中!? アオイ:うん。なんかさ、やっぱ背中からも“叫び”って出ると思うんだよね。あと、“指の間”! 夏木マリさんとMVで共演させてもらったことがあるんだけど、指の間に宇宙が広がってるみたいな。 アイナ:“指の間”に宇宙か~。 アオイ:そこから人の指の間を意識して見るようになったら、結構みんなの指の間にも宇宙あるなみたいな。アイナ先生も、歌ってるときに手よく伸ばしたりするじゃん? そこに宇宙があるっていうか。ただ上見て手伸ばしてるとかじゃないのよ。なんかを見てるじゃん? 絶対。 アイナ:あ~! そうかもね。“このライブハウスの壁を突き破った空”とかを考えたりするね、確かに。 アオイ:そう! それができる人って、あんまいないと思ってて。振り付けとかになると……“上向いて手伸ばす”とか、カウントで取っちゃう人も多いけど。それを具体的にイメージしてやるって結構大事じゃない? アイナ:そうかも!
◆BiSHの振り付けで意識していたこと
アオイ:アイナ先生は、BiSHの振り付けもされてたじゃない? あれって、どんなことを意識するの? アイナ:BiSHは、6人ともダンサーじゃなくてさ。やっぱ踊れる子があんまいない……私も含めてね。技術とかがしっかり身に付いたメンバーじゃないし、背(身長)もバラバラだし、ダンサーのような感じにはなんないの。だからこそ、唯一無二の“下手くそでも魂を見せていくスタイル”っていうのが、たぶん定着していったんだろうね。だから、“振り付け”っていう感じではなかったかもね。割と仕草の延長上? アオイ:あ、そうなんだ! でも、それすごい素敵だね! アイナ:うん、そうだね。 アオイ:最近アーティストさんに振りをつける機会がたくさんあって、考えてたの……「振り付けってなんなんだろう?」って。 アイナ:うん。 アオイ:いろいろやってみたけど、物語を作って……そこの仕草とか感情を具体的に作って、動きはご本人に任せてみるっていう。空を見て手伸ばすにもいろいろあるじゃない? だから自分が決めつけるよりも、その設定だけを作ってやるほうがいいのかな、って最近思ってて。 アイナ:そうだね……! アオイ:お芝居とかもそうなのかなって。台本があって脚本があって、それに沿ってみんな自由演技をするわけじゃん? で、ちょっと違うとこがあったら監督が直したり、「もっとこうしたらおもしろいよ」とアドバイスをくれたり。そんな感じなのかなと思ったりして、アイナっちに聞いてみたかったの。 アイナ:あ~……めっちゃ同じかも。私もBiSHの「オーケストラ」っていう曲は、物語から作った。今は名前が変わってMISATO ANDOになったんだけど、リンリンが私の腕にしがみついて、「そっからはもう自由にしようね~」みたいな。“腕にしがみついてもらって、その後は自由で”って、それだけを決めとくとか……。 アオイ:うん。 アイナ:割と余白を残すことで、メンバーも自分で描き出すじゃん? そうするほうが本当に楽しいし、自分もメンバーもやりがいを感じ出す。で、音を自由に感じ出せるから、決めつけすぎないほうが確かにいいなって私も思うね。決めることが大切なときもあるけどね。 アオイ:そうだね。 アイナ:サビは肩から上にして、狭いライブハウスでもみんなが踊れるもの、すぐ見て覚えられる簡単なもの、っていうのはかなり意識してたかな。 アオイ:うんうん。