民進蓮舫代表“二重国籍”問題で会見(全文1)戸籍は本来、開示すべきではない
芝:それでは皆さん、ご苦労さまでございます。本日の臨時の会見の司会進行を務めさせていただきます、役員室長の芝博一でございます。今日のこの会見には、政調会長の大串博志会長も同席をさせていただきます。 今日の午後12時半から、大串博志政調会長と弁護士によりまして、これまでの経緯の資料、今、お手元にお渡ししております経緯の資料ならびに、もろもろの関係書類、資料等々をお渡しをしまして、事前の説明会をさせていただきました。それをもちまして、あらためて蓮舫代表のほうから冒頭、コメントをいただき、そしてまた皆さん方のご質問をお受けをしたいと、こう思っておりますので、以下、よろしくお願い申し上げます。 【中継録画】民進党の蓮舫代表が「二重国籍」問題で記者会見 午後5時から それでは蓮舫代表よろしくお願いいたします。
蓮舫代表の冒頭発言「こうした開示は私で最後にしてもらいたい」
蓮舫:はい。まず定例以外の会見となりましたけれども、多くのメディアの皆さま方にご参集いただきありがとうございました。本日、私がすでに台湾の籍を有していないことが分かる、戸籍の一部を含めた関連の資料をお示しをいたしました。本来、戸籍は開示すべきではないと思っています。また、誰かに強要されて戸籍をお示しをするということはあってはならないことだというのは、まずもって申し上げさせていただきたいと思います。 ただ私は民進党の代表。野党第1党の党首として、私の発言の信頼が揺らいでることがあってはいけないということ。それと何よりも、現政権に対して強く説明を、責任を果たすように求める立場であることを勘案をいたしまして、今回、戸籍の一部も含めた、その他の、台湾籍を有していないことが分かる資料を公表させていただきました。ただ、これを他者に当てはめたり、前例とすることは断じて認めることはできません。このことは、冒頭に強く申し上げさせていただきたいと思います。 本日、資料でお示しして、確認できる事実関係でありますが、昨週からご説明をしているとおりであり、これまでの説明とまったく相違はございません。1985年の改正国籍法施行によりまして、私は17歳のときに、届出で日本国籍を取得をいたしました。併せて台湾籍放棄の手続きを父が完遂してくれたものと理解をして、至っておりました。昨年指摘をいただくまで、台湾籍を持っているとは考えた。思ったこともありませんでした。 昨夏、報道の指摘を踏まえて、台湾当局に念のための確認をさせていただきましたが、私の台湾籍が残っていることが判明をいたしました。当時、私の記憶によって、説明があやふやになってしまったこと、申し訳ございませんでした。17歳で日本国籍を取得して以降、旧国籍法、改正国籍法、私が取らしていただいた経過措置も含め、あるいは戸籍法に関して、もっともっと私が関与して、関心を持って勉強をして、確認をする行動を取るべきであったと深く反省をしています。自分の不確かな記憶で説明をしてしまったことも、謝罪をさせてください。 台湾籍が残っていたことを確認したあとに、速やかに離脱手続きを行いました。昨年9月23日に台湾当局から9月13日付の国籍喪失許可証書を受領いたしました。これをもって国籍法106条による外国国籍喪失届の手続きを行ったところ、10月7日にこの届出が不受理となったことから、法務省の説明を踏まえまして同日、10月7日に国籍法14条2項にのっとりまして、外国籍を放棄する選択の宣言を行いました。選択の宣言の日付は去年10月7日であります。 国籍はすぐれて個人のプライバシーに属するものであります。国籍の一部とはいえ、選択宣言の日付を公表することに私は一貫して慎重でありました。特に選択宣言、その日付が記されたページは、私に関する情報が載っているものではなくて、私の娘と息子に関する記述があるページであります。そのことからもこの戸籍の一部を公開することに対して私は慎重でありました。ただこの春、双子がそろって二十歳になり、成人年齢に達したことから、この戸籍、あるいは台湾籍の問題等について、離れたところにいたんですけども、デジタル情報等を通じて連絡を取り合っておりました。7月に息子が留学先から帰国した機会にあらためて子供たちと家族で話し合いをしたところ、家族の了解が得られたこと。それと私が1人の政治家を超えて、より強く説明を求められる公党の代表として、そこの立場を勘案して、今回、資料の開示を判断したところであります。 公党の代表だからこそ慎重な姿勢を貫いてほしい。この声も多くいただきました。本当に細やかに意見書、要望書を送っていただけたことにも感謝を申し上げます。多様な声があるということ、そしてそれをしっかりと受け止めたいと思う気持ちは十分にあります。ただ他方で私に台湾の籍が残っているのではないかと指摘をされ、私が手続きを分かっておらず、高校生のとき以降、考えたことのない台湾籍について、記憶に基づいて話したことによって不安定な印象を深めてしまいました。それを払拭することなく、私は正しいとして時の政権に対して間違いを正してほしい、説明をしっかり果たしてほしいということ。その求める姿は説得力に欠ける。この判断が資料の開示につながったことをぜひ、ご理解をいただきたいとお願いをします。 今回、選択宣言の日付を公開し、台湾籍が残っていないことをお伝えしましたが、こうした開示は私で最後にしてもらいたいと思います。全て国民は法の下に平等です。人種や性別、社会的身分などで差別をされてはいけない。親や本人、子供の国籍、髪や肌の色や名前や出自など、日本人と違うところを見つけて違わないということを戸籍で示せと強要することがない社会をしっかりとつくっていきたいと思っています。多様性の象徴でもある私が自らの経験をもって差別を助長することのない社会、多様性を認め合う共生社会を民進党代表としてつくっていきたいということを、最後に強く申し上げたいと思います。今日はお集まりいただきありがとうございました。私からの冒頭の発言は以上です。 【連載】民進党・蓮舫代表が“二重国籍”問題で会見 全文2へ続く