【経緯詳しく】小学校教諭だった妻を“殺害” 夫「私は妻を殺害していません」起訴内容を否認 自宅マンションに遺体を1か月にわたり“放置”は認める 福岡地裁
福岡県久留米市で小学校教諭だった妻を殺害して自宅マンションに1か月間、遺体を放置した罪に問われている男の裁判員裁判が25日に開かれ、男は「私は妻を殺害していません」と起訴内容を否認しました。
殺人と死体遺棄の罪に問われているのは、無職の渡辺司被告(42)です。 起訴状によりますと、渡辺被告は2023年9月21日午前3時46分ごろから午前7時55分ごろまでの間に、当時住んでいた久留米市の自宅マンションで小学校教諭の妻、彩さん(当時35)の首を何らかの方法で圧迫し、窒息させて殺害した上、1か月間、遺体を放置した罪に問われています。 ことし1月に死体遺棄の罪について福岡地裁久留米支部で初公判が開かれ、その日のうちに殺人容疑で再逮捕されていました。 その後、殺人罪でも追起訴されたことから「裁判員裁判」の対象となり、9月25日、福岡地裁で公判が開かれたものです。 ことし1月の死体遺棄罪での初公判で、渡辺被告は遺体を放置したとされる起訴内容を認め、検察からは「生前の妻との関係から埋葬しようという気持ちになれなかった」とする渡辺被告の供述が明らかにされていました。
9月25日の公判で、検察は冒頭陳述で「2人はマンションの購入を巡るトラブルがあった」「殺害する動機があった」と主張しました。 一方、弁護側は「事故、自殺の可能性が否定できない」として殺人について無罪を主張しました。 判決は10月21日の予定です。
事件は去年10月19日夜に発覚しました。 「姉が亡くなっているようだ」と彩さんの弟から110番通報があり、警察が室内に横たわった状態で死亡している彩さんを発見しました。 当時、渡辺被告は家にいて、9歳と5歳の子どもは渡辺被告の実家に預けられていたということです。 久留米市教育委員会によりますと、彩さんが最後に小学校に出勤したのは去年9月20日でした。翌日から学校を休み、この日、学校に渡辺容疑者から「妻の体調がすぐれず、2日ほど休ませてほしい」という内容の連絡が来ていたということです。 その後も休みが続いたため、小学校から家に連絡したり、自宅を訪問したりしましたが、彩さんには会えませんでした。渡辺容疑者とは電話や直接会うこともあったといいますが「妻は体調がすぐれない」という説明を繰り返すだけだったということです。 彩さんは6年生のクラス担任で、信頼される先生だったといいます。小学校は去年9月末に、教育委員会に対し「原因が分からない休みが続いていて、本人と連絡もとれていない」と相談していました。