緊急事態宣言解除地域の”経営危機”サガン鳥栖が今日から全体練習再開「勇気を持って一歩を踏み出すとき」
鳥栖が所属選手たちに寄り添った軌跡のなかには、報酬がしっかりと支払われたことも含まれる。さらにはオンライン形式のメンタルトレーニングも幾度となく実施。外部から招いた講師のもとで、小林によれば「サッカーができない状況下での目標設定や、心の置き方や持ち方を学んだ」という。 心に巣食う不安を取り除き、同じくオンライン形式で全員が顔を合わせるフィジカルトレーニングも実施。孤立感を排除したなかで、Jリーグが14日に発表したガイドライン内で謳われた、練習場での個人トレーニング、身体接触のないグループ練習を飛ばして、いきなり全体練習を再開させる。 「クラブと密に話をしてきたなかで、いまこそ勇気をもって一歩を踏み出すときじゃないのか、となりました。その勇気を踏みにじらないようにしっかりとリスクヘッジをかけながら、僕たちが輝ける場所であるピッチでサッカーができる喜びを、しっかりと形に変えていきたい」 選手たちの表情をパソコン越しではなく、直に見られる光景に思いを馳せた金監督によれば、当面は非公開で接触を含めた対人プレーなどもメニューに組まない。ソーシャルディスタンスを取った上でのフィジカルトレーニングなどがメインになる予定で、練習の前後でも感染防止対策を徹底する。 例えば晴天時のクラブハウス利用は禁止され、選手たちは自宅と練習場を行き来するだけとなる。飲み物を入れたボトルの共有も禁止し、選手はこれまでと同じく毎日の検温と行動履歴を細かく記録。クラブ内から感染者が出た時点で、全体練習を再び中止とする方針も確認されている。 静岡学園高から2004シーズンに柏レイソルへ加入し、横浜F・マリノスでの6年間をへて、2017シーズンから鳥栖の右サイドバックを務める小林にとっても、これだけ長い間サッカーから離れるのは初めての経験となる。しかし、全体練習を前にして「すごく楽観的に考えている」と笑う。