予約客の8割は韓国人…キャンセルは出ていないが、気をもむゴルフ場 突然の戒厳令、観光関係者ら長期化懸念 鹿児島県内
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が3日夜に宣言した「非常戒厳」は、約6時間後に解除された。韓国に向かう鹿児島県の渡航者らは「心配していない」と冷静に受け止めた。一方、県内の観光関係者からは、政治情勢の混乱が日韓関係に悪影響を及ぼさないか懸念する声が上がった。 増えた国際便が後押し…韓国からの観光客が大幅増、コロナ禍前の5.4倍 10月の県内観光動向
4日午前、霧島市の鹿児島空港国際便出発ロビー。非常戒厳が既に解除された時間帯で、韓国行きの便への搭乗を待つ客は落ち着いた様子だった。 カジノ目当てに渡韓するという鹿児島市の20代男性と30代女性は「現地の知人からは特に何も聞いていない。心配していない」。出発ロビーの売店スタッフも「様子はいつもと変わらない」と話した。 12月の予約の8割以上が韓国人客の「さつまゴルフリゾート」(さつま町)はキャンセルなどの影響は出ていない。ただ、過去に両国の関係悪化で韓国からの客が落ち込んだ時期がある。神原直樹総支配人(51)は「現時点で大きな心配はしていないが、今後の状況を注視したい」と強調した。 粉粒体供給機を製造するヨシカワ(薩摩川内市)は約25年前からソウルに販売代理店を設ける。吉川修会長(77)は「民主国家となった今の韓国で戒厳令が発出されるとは想像できなかった」と驚きつつ、「これまでの政権交代でも業界への影響はなかった。今回も同様では」と語った。
「事件やクーデターがあったのだろうか」。来日16年で日置市に暮らす韓国語講師の李濬京(リジュンギョン)さん(42)はニュースに接し驚いた。「目的やなぜこのタイミングだったのかが分からない。国際社会で韓国の信頼が落ちたり、観光客が減ったりしないか心配だ」と事態の早期解決を望んだ。
南日本新聞 | 鹿児島