花粉ゼロの釧路 長期滞在 市が「避粉」キャンペーン
スギやヒノキの花粉がない利点を冬季の長期滞在者増加につなげようと、北海道釧路市は「花粉ゼロくしろで避粉キャンペーン」に取り組んでいる。期間中は滞在者にノベルティを配布しており、事務局の市市民協働推進課は積極的な利用を呼び掛けている。 涼しさや魅力あふれる自然、食を前面に推し出した釧路市の長期滞在は、首都圏を中心にリピーターが多く、23年度上半期(4~9月)は滞在人数1542人、延べ滞在日数423日と好調に推移。道が取りまとめを行う北海道体験移住「ちょっと暮らし」事業においては、滞在者数、延べ滞在日数ともに12年連続で1位を獲得している。 一方で、4~10月の長期滞在者数が年間の8割を占めており、冬季は極端に少ない。長期滞在をビジネスにつなげるには通年化が課題となっており、市の長期滞在事業の中心的役割を担う「くしろ長期滞在ビジネス研究会」を中心に検討が重ねられてきた。 今回のキャンペーンでは、釧路地方にスギ・ヒノキが自生していないことから花粉症患者などをターゲットに、「花粉のない街くしろ」「免疫力を高めるビタミンDの生成に必要な日照時間が長い」「ビタミンDが多く含まれる魚が豊富」の3点を大々的にPR。さらに、先着100人の長期滞在者(市内3泊以上)にノベルティとしてイワシのアーモンドフィッシュを1人1個プレゼントする。 22日には阪急交通社のツアー参加者26人にノベルティを配布し、花粉ゼロをアピール。山口県から夫婦でツアーに参加した藤本尚代さんは「冬のくしろでタンチョウを見るのが楽しみ。キャンペーンは、花粉症の人に良いセールスポイントになるのではないか」と話していた。 キャンペーンは3月31日までで、ノベルティがなくなり次第終了。市役所内の同課や同研究会会員の長期滞在施設などで配付している。
釧路新聞