井浦新、水原希子が現代に解き放つ命の問題作「徒花 -ADABANA-」への想いを語る
ウイルスの蔓延で人口が激減し、延命措置として上層階級の人間だけに全く同じ見た目の“もう一人の自分『それ』”の保有が許された世界を描く、甲斐さやか監督の最新作、「徒花 -ADABANA-」。監督が20年以上をかけ構想し書き上げたという、現代に解き放つ命の問題作が10月18日(金)にテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテ他で全国順次公開が決定。 主演の井浦新、水原希子が本作への想いを語った。
監督は「1996年に、世界初の哺乳類のクローンである『羊のドリー』がスコットランドで作られて話題になったことがあって、日本でも記事にもなっていたんです。その記事を読んで調べていたら『クローン桜』のことを知りました。実は、日本で見ている桜のほとんどが一代限りのクローン桜なんです。私達が日本の原風景だと信じているものがクローンだということに気付いてしまったことで、今の私達がコンピューターや技術を操っているように思っていても、実はこっちが操られているんじゃないかと思ったのです」と本作について振り返る。 監督の前作「赤い雪 Red Snow」にも出演し、「どんな小さい役でもいいから出演させてほしい」と監督の世界観に惚れ込み、本作で死が近づいている男・新次を演じた井浦新は、「監督が『新次という役は新さんしかいない』と言ってくださって、高いハードルに対する不安と、でも絶対に演じてみたいというワクワクが混じって、楽しみで仕方がないと言う意味で『身震い』しました。監督の思いを超えていきたい、自分の気持ちをすべて作品に捧げたいという気持ちで作品に参加しました」と語る。 また、臨床心理士のまほろを演じた水原希子は、「特別な思いのこもった、大切な作品なんだろうなというのが第一印象でした。のめり込みながら脚本を読みました」と振り返った。 なお、本作は第37回東京国際映画祭において新設部門となる「ウィメンズ・エンパワーメント部門」に出品が決定している。