善光寺御開帳、次回はいつ 2027年?それとも28年? どうなる「7年目に1度」、前回は新型コロナで1年延期
善光寺と長野商工会議所、24年にも話し合い本格化か
慣例で7年目に1度開かれる長野市の善光寺御開帳。新型コロナウイルス流行の影響で、当初2021年に予定していた前回は1年延期して開かれた。1年ずれた影響で次回は27年か、それとも28年か、定まらない状況が続いている。中心となって開催を請願する長野商工会議所と寺の話し合いは、早ければ24年中になりそうだ。 【写真】善光寺御開帳の中日庭儀大法要
善光寺御開帳は、本堂の瑠璃壇に安置されている秘仏(本尊)の代わりに、普段は宝庫に収められている前立本尊を公開する行事。記録が残る最も古い開催は江戸中期の1730(享保15)年で、以後不定期に行われた。太平洋戦争での中断もあったが、1882(明治15)年から7年目に1度が慣例となった。
長野商議所が企画に関わるようになったのは戦後の1949(昭和24)年。55年からは7年目に1度、未(ひつじ)年と丑(うし)年に交互に開く形となった。それが21年春、感染対策で1年延期に。コロナ禍は続いていたが、22年4月3日~6月29日に無事開いた。
ただ、22年11月には商議所の役員改選があり、寺側も大勧進トップの貫主(かんす)に就いた栢木寛照(かやきかんしょう)氏のお披露目の場となる「晋山式(しんざんしき)」が行われるなど、双方に行事などが重なった。結果、次回の御開帳年についての話し合いの機運も高まらなかったという。
商議所によると、御開帳開催の請願は開催年の2年前に行う。この慣例に従えば、27年に開くなら25年には請願する必要がある。善光寺事務局の役員態勢は2年で交代しており、22年春の御開帳を担った役員は24年4月に交代する事情もあるため、商議所側は「寺側の役員が新態勢になったところで、今後の話し合いを進めたい」とする。善光寺の林明晋(めいしん)寺務総長も「新態勢になってから話し合いは本格化すると思う」としている。
22年御開帳時には636万人の参拝者が訪れ、経済波及効果は1095億円とされた。地域活性化への貢献度も大きく、地元の商店関係者からは「早く実施してほしい」との切実な声もある。
開催に当たっては本堂前に立てて「善の綱」で前立本尊と結ぶ「回向(えこう)柱」も必要。長野市松代町の住民らでつくり、善光寺回向柱寄進建立会の事務局を務める長野商議所松代支部は、前年には伐採しているとし「(27年か28年か)どちらに転んでもいいように動いてはいる」としている。