「日本軍は被害女性殺害」韓国教科書の慰安婦記述 金柄憲氏が反論「1人も強制連行ない」
韓国で慰安婦運動の問題点を追及する市民団体「慰安婦法廃止国民行動」の金柄憲(キム・ビョンホン)代表は韓国の高校で来年度以降使われる歴史教科書での慰安婦についての記述について、「歴史的事実ではない」と問題視する声明を出した。今月11日付。慰安婦に関して、合法的な性売買業に従事した女性との事実を教育現場で伝えるとともに、現行の「慰安婦」の記述の削除を求めた。 【写真】無関係写真が「徴用工」写真と掲載された韓国の小6教科書 ■日本統治被虐史観に疑問 金柄憲氏は歴史研究者で、韓国の日本統治被虐史観に疑問を持つ保守グループの1人。日本でもベストセラーになった『反日種族主義』の共著者の李宇衍(イ・ウヨン)氏らと慰安婦像撤去を求めるデモ活動を行っており、2022年6月にはドイツを訪れてベルリン市ミッテ区にある慰安婦像の撤去を訴えた。 金柄憲氏によれば、来年度に使われる韓国史の教科書の展示本は「日帝は侵略戦争を遂行する過程で軍部隊に慰安所を建て、女性を強制的に連れていき、日本軍慰安婦とした」と記され「連れていかれた女性は、あらゆる侮辱と暴力を経験した。日本軍は戦後、人権蹂躙(じゅうりん)の事実を隠蔽(いんぺい)するために被害女性を殺害したりした」などと記述されているという。 金柄憲氏は声明で「全て歴史的事実ではない」と指摘。大半の慰安所は軍部隊の外に設置されていたことを挙げた上で、慰安婦について慰安所を運営する「抱え主」(業者)の募集で契約を結び、合法的な手続きで営業をしていたと説明した。 ■反論材料は慰安婦証言と判決 具体的に元慰安婦支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連、旧挺対協)」の証言集や慰安婦訴訟の判決文を挙げ、慰安婦を連れて行ったのは旧日本軍ではなく、「抱え主」だったと反論した。「当時、慰安婦は合法的な職業であり、慰安所規定には軍人の階級別遊興時間別料金が決まっていた。軍人は規定に従って花代を支払い、性的欲求を解消した顧客に過ぎない」と解説した。 その上で、慰安婦に対する不当な行為は旧日本軍の軍人も処罰されたといい、「日本軍に殺された慰安婦がいたとしたら誰なのか明らかにせよ」と訴えた。