〈オジサンのような投球〉…日ハム吉田輝が電撃トレード「『秋田の星』がオリックスへ移籍」納得の内幕
「予想もつかなかったので驚きました……。初めての経験なので実感がない」 11月24日に北海道札幌市内で行われた球団納会前に報道陣へ対応した日本ハムの吉田輝星(22)は、戸惑いを隠せいない様子だった。同日に発表されたのは、吉田とオリックス黒木優太との1対1のトレード。吉田は3日前に、400万円減の年俸1600万円(推定)で契約を更改したばかりだった。 「そこ、ダメッ!」中田翔がミニスカ美女と……衝撃写真 「日ハムも思い切ったトレードをしましたね。甲子園の準優勝投手として、金足農業(秋田県)からドラフト1位でプロ入りした吉田は今季5年目。『秋田の星』として人気だけでなく、150km以上のストレートで将来性もある投手を放出するとは驚きです。 一方で吉田が伸び悩んでいたのも事実でしょう。5年間の勝利数はわずかに3。成功体験がアダとなったのかもしれません。吉田の最大の魅力は力強いストレートですが、’19年6月の広島戦であげたプロ初先発初勝利は『かわす投球』で勝った。入団当時の2軍監督・荒木大輔さんは〈変化球に頼るオジサンのようなピッチングをしているなぁ〉とこぼしていたそうです」(球団関係者) ◆先発か中継ぎか 以後はストレートにも磨きをかけた吉田。だが起用法には不満があったかもしれない。周囲に「将来的にはエースになりたい」と語っていたように、本人は先発へのこだわりが強い。一方で近年は中継ぎとしての登板が大半だったのだ。 「複雑な心境だったと思います。自分にはまだ力が足りないことは理解していても、先発で投げたいと……。日ハムも吉田の希望をわかっていたと思いますが、今季は上沢直之に加藤貴之、伊藤大海と先発の投手層は厚かった。さらに来季はオリックスから山﨑福也が加入します。吉田がわって入る余地はほぼないんです。 オリックスへのトレードは新庄剛志監督や球団幹部の親心でしょう。日ハムと違いオリックスは、エース山本由伸がメジャーに挑戦し、前述の通り今季11勝をあげた山﨑がFA宣言しました。2人の抜ける穴は大きい。吉田がローテーション争いに参戦できる可能性があるんです。吉田の希望と将来性を考えての放出だと思います」(スポーツ紙担当記者) 吉田にとっては希望あるトレードのようだ。
オリックスという球団は、吉田にとって最適のチームかもしれない。 「育成に定評がありますからね。育成システムを支えているのが、かつてダルビッシュ有や大谷翔平など一流選手を数多く育てた旧日ハムのスタッフです。福良淳一GM、中嶋聡監督、厚澤和幸投手コーチ、中垣征一郎・巡回ヘッドコーチ……。 特に中嶋監督は吉田と同じ秋田県出身で、気心も通じ合えるでしょう。日ハムの事情をよく知り育成能力の高いオリックスで、吉田が覚醒する可能性は十分あると思います」(同前) 甲子園で「金足旋風」を巻き起こした吉田。新天地に移り、プロの世界で再びファンの心を踊らせるピッチングができるだろうか。
FRIDAYデジタル