虎のソナタ トラ番に後世に残る名文を! 新助っ人がドラマの主人公になりますように
「運命のボールが出た」-。 1981年1月8日付のサンスポ。伏見工ラグビー部が初の日本一に輝いた決勝戦の原稿の書き出しです。 この感動ドラマは、今月24、25日の2日間にわたって、大型連載「昭和100年へ」で、ラグビー担当・月僧正弥記者が熱く書いていたから、ここでは繰り返さない。ただし、サンスポでも語り継がれてきた〝ドラマ〟はある。 「この原稿を読んで、目を閉じてみろ。あの歴史に残るシーンが鮮やかによみがえってくるやろ」 先輩記者から、さらに先輩にあたる記者の〝名文〟を勉強しろ!と教わった。ずいぶん手前ミソな話になってしまったが、確かに、あの日、劇的すぎるトライが生まれる直前から栄光の瞬間までが、冒頭の書き出しの原稿の行間から伝わってきた。 気軽に使えない「運命」の2文字がピタリとくる。今に至るラグビーブームの原点となった試合だから、大げさにも感じない。 もう44年近く昔の話。ちなみに、この年の元日付サンスポの1面の見出しを紹介したい。 「岡田&原時代だ」 阪神2年目の若きスター岡田彰布が大阪城公園の砲台の隣でバットを担いで笑っている写真が躍っていた。ライバル巨人のドラフト1位ルーキー・原辰徳との対決を心待ちしているよ~というお正月原稿。 2人のプリンスはその後、華々しい現役生活を送り、やがて大監督になって、今は勇退しているのだから、いかに月日がたったかを分かってもらえるだろう。 時は流れ、名前を変えて花園に戻ってきた京都工学院に大注目の大会。わがサンスポも全力で取材する。初戦は112-0。この先、どんなドラマが待っていることやら。ドラマチックなストーリーは、スポーツ記者の大好物だ。来季の藤川阪神にも、無限のドラマを期待したい。原稿も弾むだろうし。 そんな新監督を支える戦力もいよいよ完成間近だ。新助っ人も続々と発表された。 虎ソナの自宅近所のうどん店のオヤジが熱狂的な虎党であり、サンスポの愛読者。いつも質問攻めに遭う。 「新しい外国人は海のモノとも山のモノとも、分からない。アタリであることを信じるしかない。でも、新渉外担当のナバーロって、以前に阪神にいたヤツやろ? 大丈夫か? 確か、『モチベージョンが上がらないから』と暴言吐いて辞めたヤツや!」