看護師ママは「性」をどう教えた?「我が子に『パパとママもしたたの?』と聞かれた日」
こんにちは、オトナサローネ井一です。ついこの間生まれたひとり娘が今年はや小6になり、気づけば入学式の日にはあんなに小さかったお友達がみんな思春期にさしかかっています。 【データ】ちなみに親世代は。レスの割合は? 年齢別の目的は? 先日ママ友30人ほどの飲み会に参加したのですが、その席での話題の一つが「性教育どうしてる?」でした。男児ママ女児ママそれぞれが「ウチの事情」を語る中、全員が深く賛同したのが、看護師歴30年のママ・トモコさんが語ってくれた方針です。その「お見事」としか言いようのない内容を改めて教えてもらいました。
「パパとママもしたの?」我が家は4年生のときに質問されました
こんにちは、小学校3年と6年の娘のママ、トモコです。看護師としてICUや救命など緊張感高い現場から血液検査部門まで、病院内のいろいろな役割を経験してきました。私が娘たちに話した内容は、私の職業が命そのものを扱うからこそ伝えねばならないことでもあり、どのご家庭にもこの内容がフィットするかはわかりません。でも、もしご参考いただける部分があればとても嬉しいです。 6年生の娘、ミキがはじめて性的な話題に触れたのは、4年生の頃でした。その日学校の女子の間で「気持ち悪いよね」という会話があったようですが、ミキは性交の方法を具体的に知らず、何が気持ち悪いのかわからなかったようで、その場では「気持ち悪いよね」と合意したふりをしたみたいです。 帰宅するなりミキは「ママ、性交ってどうやってやるの」と聞いてきました。オウフ、そうきたかと思いつつ、最初に伝えたのは以下のこと。 「ミキ、『やる』じゃなくて『する』って言ってね、動物じゃないから。人間は『する』、これは大きな違いだよ」 生命を扱う仕事に就く私は、あなたたちが生まれてきたことはすばらしく尊い、たとえそれが蟻1匹であっても生命の誕生はとても大事なのだと伝えたくて、精子と卵子の結合のことを幼稚園の頃から話していました。どうやって命ができるんだろうね、このお花はどうやってここに咲いたんだろうね、風で種が飛んできたのだろうね、あなたはどこからきたんだろうね。あなたはパパの精子とママの卵子からできたんだよ、という具合です。精子が卵子にわーと何億もふりかり、たった1匹入るとバンと閉じる、そういう生命の神秘がある。このことは知っていたけれど、今回ミキは「どうやれば精子と卵子はふりかかるのか?」に疑問を持ったのですね。 ちなみにもうひとつ、体を守ってほしかったため、お風呂に入った時、女の子は穴が3つあります、おしっことおしりの間に赤ちゃんの穴があるんです。洗いすぎるとよくないですよ、うんちのあとに後ろから前に拭くと雑菌がつきますよと説明していました。膣の存在をどう伝えたらいいかわからないという友人に、「お風呂で3つあるのを一緒に見るといいよ」と話したこともあります。小さいうちは何にでも興味があるので、パパには何がついているのだろう、私にはついていないときょとんと見ていることがあります。あまり気になってしまうと手でいじって雑菌に侵入されることもありますので、興味を持ちすぎる前に知識を与え納得を得るというのはひとつの手です。 さて、いちど部屋に入ったミキがすぐに出てきて、こう聞きました。「ママ、パパとやったの?」。「ミキ、『やった』じゃなくて『した』と言ってね」と訂正したあと、「しましたよ、だからあなたがいるのよ」。 「ママ、きもちわるいんだけど? オエ」と本気で吐きそうになっているミキに「そっか」と返してから、私が伝えたのは以下のことです。 「子どもの体のうちはまだそんなに性欲ってわからないのが普通だから、あなたがいまオエって思うのはごく普通のことです。やがてきちっと体の準備ができて、赤ちゃんを育てられる心と体に成長して、この人の子どもを育てたい、子孫を残したいという気持ちになると、おのずとしたいなという気持ちになります。いま、気持ち悪いオエと思うときはまだ準備ができてないか、相手に巡り合ってないときだから、気にしなくていいし、気持ち悪くなってていいんだよ。それが正解なんだよ」 ミキはいったんそれで納得して、「そっか、気持ち悪くていいんだ。パパとママをオエって思うけど、それはオエって思っていいんだ。そう思わなくなるときがきっとくるんだ、じゃあ焦らずに、それに対して深く考えずに、今のままでいいんだ」と落ち着いたようでした。 ここまでの記事では小6姉のケースを教えてもらいました。続く後編記事では「もっとストレートに性交のことを聞いてきた」小3妹にどう答えたか、男児ならどうするかを伺います。
オトナサローネ編集部 井一美穂