波がなくても電気の力でサーフィン? 活気的な電動サーフボードが発表
動力部をボードと一体化で、抵抗が消えた
プローンフォイルの世界では、水中のマスト(支持軸)にモーターとスクリューを付けたものが主流だ。だが、水中部分に部品を増やしたことで、ボード本体の浮遊により本来軽減できていたはずの水の抵抗がかえって増えてしまう問題があった。 そこでAMPボードは、動力部を小型化したうえでボード本体に内蔵した。取り込んだ水をボード後部から高速で排出し、加速を得る。フライトボード社は、AMPボードが「マスト部にモーターがなく、つまり水の抵抗を生じることがない」と利点をアピール。「割れていない波(比較的低く、長いライドを楽しめる波)や穏やかなうねりを捉えることを、ハンズフリーでサポート」すると述べている。 米エレクトレックは、「つまり、目に見えないだけでなく、抵抗を減らしながら軽量化されているのだ」と評価している。
小型バッテリーでも長いライド
米テックメディアのテックタイムズは、状況に応じてAMPシステムが自動的に推力を調整することから、従来のプローンフォイル用の電動サーフボードよりもバッテリーが長く持続する可能性があると分析している。 AMPボードの構造上、テイクオフ後にボードが空中に突き出た状態では、電動の加速を得ることができない。すなわち、テイクオフまでのサポートが本機の主な効果となる。 もちろんテイクオフ後は、通常のサーフィンと同様、ボードを強く踏み込むことで波の力を利用して加速を得ることが可能だ。また、走行中もボードによる加速を得たい場合には、マスト部に電動スクリューを取り付けることも可能となっている。 ボードのノーズ部に据えられたランチパッドを通じ、ユーザーはパワーの強さやブーストのタイミングをカスタマイズすることができる。ランチパッドはまた、ライダーの姿勢を常時モニタリングしており、転倒時に自動的に動力をカットするインテリジェント機能を搭載する。 AMPボードは、フライトボード社の新たなサブブランド「FLITElab*(*まで含めブランド名)」の第1号製品としてデビューする予定だ。具体的な発売日や価格は未発表となっており、続報を待ちたい。