五十嵐亮太×石井弘寿 対談 永遠のロケットボーイズ
兄弟のように
インタビューは五十嵐の引退試合前日の10月24日、リモートで行われた[写真提供=ヤクルト球団]
右の五十嵐亮太、左の石井弘寿。2000年代、ヤクルトのブルペンを支えた2人の速球派リリーバーコンビ「ロケットボーイズ」が、五十嵐の現役引退を記念し、誌面で一度切りの復活だ。名コンビは対談でも、150キロを連発する!? 取材・構成=依田真衣子 写真=BBM、ヤクルト球団 「兄のよう」「弟のよう」。お互いにそう感じている。軽快なやり取りは、ともに過ごした長い年月で培われてきたものだ。ブルペンでも私生活でも、すぐ隣で戦い、笑い、苦しんできたからこそ。かつて、ファンの視線をバックスクリーンのスピード表示にくぎ付けにした2人の対談は、五十嵐の引退試合前日、10月24日に行われた。 ◎ ──石井コーチが五十嵐さんの引退を知ったのはいつですか。 石井 ちょうど、1週間くらい前かな。五十嵐から電話をいただいて。 五十嵐 「もらって」でしょ。 石井 ああ、そうです(笑)。電話をもらって、やめることに、引退することにしましたっていう報告をいただきました。 五十嵐 だから「もらって」だって。 石井 (笑)。コーチをやってると、敬語を使うことが多いから……。 ──報告を受けて、石井コーチは何を話されたのですか。 石井 スワローズに戻ってきて、一緒にできて僕もうれしかったですし、コーチと選手という立場は違えど、同じブルペンでつくっている姿を見て、うれしかったんでね……。去年、今年と、いろいろ体も満足のいく状態じゃない中で、ベストなパフォーマンスができる状態を探りながら、一生懸命やってきたよなって話をしながら、まあよく頑張ったなっていう話をしました。本人はなんか、あっけらかんとしたもんで(笑)。 ──しんみりした感じではなかったんですね。 石井 そうですね。もともと五十嵐はすごく明るくて、そういうタイプじゃないので。僕らには見せない部分もあるのかもしれないですけど、僕らの前ではほぼ明るい、このまんまの人柄なんでね。 五十嵐 ハハハ! ──そういえば18年前に、本誌で対談していただいたことがありました(インタビュー末尾参照)。 石井 ええ、すごい……。 五十嵐 若っ! ──このころから、五十嵐さんはあまり変わっていない、と。 石井 いやいや、キャラクターは変わってますよ。すごく明るい人間ですけども、ヤクルトに帰ってきたときに、大人になったな~って、思いましたもん。 五十嵐 いや、変わってないですよ。大丈夫です。 石井 いやいや、本当に。ずっとすごく明るくて、弟みたいな存在なんですけど、スワローズに戻ってきたときは、「それだけ長い年月、第一線でやってきたんだな~」って、あらためて感じましたからね。 ──五十嵐さんは、スワローズに復帰したとき、石井コーチと再会してどう感じられましたか。 五十嵐 何だろう……。『浦島太郎』の玉手箱じゃないですけど、お互いに年とったなあ~って感じましたよ(笑)。この写真を見ても、若いですよねえ、2人とも。数え切れないくらいの思い出が僕たちにはありますけど、僕がスワローズを離れてからも、石井さんはコーチとしてのキャリアを積み上げられていてね……。何年からコーチやってます? 石井 2012年からだね。 五十嵐 僕は10年からスワローズを離れたので・・・
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週刊ベースボール