日韓ナイン、プレーで励ます 高岡でチャリティー試合
●富山・石川の「日本海選抜」対「京畿道」 観客「元気もらった」 日韓のプロ野球独立リーグによる能登半島地震復興チャリティーゲーム(富山新聞社、北國新聞社特別協力)は22日、高岡市の高岡西部総合公園野球場で行われた。富山GRNサンダーバーズと石川ミリオンスターズが所属する日本海リーグ、韓国・京畿道(キョンギト)リーグの両選抜チームは富山、石川の被災地に思いを寄せ、早期復興を願って、はつらつとしたプレーを展開した。 【写真】チャリティーイベントで参加者と握手する糸井さん(右) 開会式では両チームの選手が黙とうをささげ、日本海選抜の吉岡雄二監督(富山)と京畿道選抜のヤン・スンホ監督が握手を交わした。 チャリティーマッチは京畿道側の提案で実現した。日本海、京畿道の両選抜は1月、コロンビアで開催の国際大会に出場する予定だったが、国際情勢により大会が中止となった。ただ、京畿道との関係は続き、「震災復興を応援したい」との申し入れがあった。 試合は日本海選抜が0―3で敗れた。一方、両選抜の代表3人によるホームラン競争では、大誠選手(石川)が5本のアーチを架けるなど、日本海が京畿道より4本多い7本を数えて勝った。輪島市出身の川﨑俊哲選手(同)は「被災者のために全力でプレーした。今後も勇気付けられるよう戦う」と振り返った。 612人が来場し、スタンド入り口では募金活動が行われた。芹原得吏(えり)さん(18)=高岡市=は「選手の笑顔がたくさん見られた。地震で高岡は落ち込んでいるが、野球を通じ元気をもらった」と声を弾ませた。 募金と、NPB(日本野球機構)や日本海リーグの選手、OBが協力するオークションの収益は富山、石川の被災地復興に役立てる。日韓戦は23日、珠洲市営野球場で午後1時から行われる。 ●「超人」糸井さんファンと交流 会場盛り上げ「復興願う」 日本ハム、オリックス、阪神で活躍し、「超人」の愛称を持つ糸井嘉男さんがスペシャルアンバサダーとして会場を盛り上げた。 現役時代に抜群の運動神経と長打力、走力、強肩で球界を沸かせた糸井さん。ホームラン競争に急きょ参加し、特大ファウルを放つと日本海選抜の選手から「えぐっ」と驚きが広がった。 ノックを通じ来場者と触れ合い、質問コーナーではプロの監督、コーチになる考えを問われ「サインを覚えられないので今の所ない」と答え、観客の笑いを誘った。 オークションでは、「めっちゃいい匂い付き」と推していた日本ハム・新庄剛志監督のユニホームなどグッズ一式が11万1111円で落札された。京都出身の糸井さんは「地震の揺れは京都でもすごく感じた。自分が被災者を勇気付けられるか分からないが、共に復興を願いたい」と話した。