【チャンピオンズC】本格化の真っ最中!初距離レモンポップは止まらない!?
チャンピオンズC レモンポップ 田中博康調教師 ――ドバイ遠征からの帰国後初戦となった前走の南部杯は、2着馬イグナイターに大差をつける圧勝でした。レースを振り返っていただけますか。 田中博調教師(以下、田):ドバイ遠征後、夏場休んで体がすごく成長した実感があったので良いパフォーマンスを見せてほしい気持ちはありましたが、フェブラリーステークスを勝ったとはいえ本質的にマイルが適距離かというと疑問符がつく感じだったので、正直半信半疑で見ていました。それがあの勝ち方ですから。あまりの強さに驚きでした。 ――あれだけのパフォーマンスを見せて、レース後の馬の様子はいかがでしたか。 田:パフォーマンスとしては強かったですけど、競馬自体はラクでそれほど目一杯という感じではなかったので、それほど疲れた様子もなくまたすぐにレースを使えるだろうと思える状態でした。 ――今回チャンピオンズカップを選択した意図は。 田:1800という距離に疑問は残っていますが、前走であれだけの強さを見せてくれましたし、いつもこちらの想像を超えるパフォーマンスを見せてくれる馬なのでその可能性に賭けました。 他の候補だったJBCスプリントやブリーダーズカップダートマイルを選んでいたとしてもそれぞれチャレンジになりますが、個人的にはこのチャンピオンズカップを選択することが一番高いハードルへのチャレンジだと思っています。 ――中間の過ごし方を教えてください。 田:前走後はオーナーサイドの外厩へ放牧に出して、3週くらいリフレッシュさせてから帰厩しました。脚部不安で1年間休んだ馬ですし、復帰後も慎重にレースを選びながら相当気を遣って調整を進めてきましたが、今は脚元も固まってきてだいぶ体質が強くなってきたので、以前より踏み込んだ調整が出来ていると思います。 ――11/22(水)に行われた最終追い切りの狙いと動きの評価をお願いします。 田:坂井騎手には前走の1週前追い切りにも乗ってもらっているので、調教に関してそのときとの比較が出来ますし、しっかり負荷をかけて長めから追い切ることで、コースを1周する中京1800に向けてのコントロールや走りのバランスを見てもらうために今回も乗ってもらいました。「馬が良くなっています」と話してくれましたし、好感触を掴んでくれたようです。 ――初の中京ダート1800ですが、舞台適性についての見通しは。 田:現状の馬のバランスなど考えると、1800をこなすことに対して不安は残ります。距離の問題はこの馬にとってこれまでずっとつきまとってきたものですし、この短期間で対処出来るように大きく変えられるかというと、それほど簡単なものではありません。 フェブラリーステークスの前は1400のレースと同じような格好で4コーナーを回ってきてくれれば良いなと想像していて、実際にその通りの形できてくれたので感動しましたが、今回はどういう格好で4コーナーを回ってくるのか想像出来ませんね。 ――長期休養を経験した後、大事に使われながらステップアップしてきて今年は初重賞勝ち、初G1勝ちと飛躍の年になりました。改めて馬の成長を感じる点は。 田:馬体の作りが変わってきました。これまで夏場は3年連続で休養していますが、今年の夏を越してからが馬体面で1番大きく変わったと思います。元々トモが発達していてトモ高なタイプでしたが、ここにきて前が追いついてきました。前躯が発達してきたことで後躯とのバランスが取れてきましたし、まさに今本格化してきている最中だと思います。 ――フェブラリーステークス、南部杯に続き3つ目のG1タイトルが懸かります。意気込みをお願いします。 田:正直やってみなければ分からないですし不安もありますが、先ほども話したようにこの馬は常にこちらが思っていた以上のパフォーマンスを見せてくれますからね。可愛い名前に似合わないような強さを見せるからか、ファンが多い馬だと聞いています。 今回は馬にとってとても大きなチャレンジになるので、そのファンの皆様の応援が必要です。私たちも何とか距離に対応出来るよう努力していくので、応援でレモンポップにパワーを届けていただければと思います。
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