【山脇明子のLA通信】DIデビューを果たしたロロ・ルドルフ…新たな環境に戸惑いながらも勉強の日々
河村勇輝の活躍に刺激、同年代の選手からプッシュも
――大学に入って変わったことはありますか? ルドルフ 「僕ら」をより大切にできるようになったことです。シーズン前の僕はあまりいいチームメートではありませんでした。それを認めることに恐れていないとは言いません。でもそんな僕にみんなが「信じている」「認めている」と言ってくれました。僕も彼らのことを尊敬していましたし、お互いに思いは一致しました。それで少し大人になりました。 僕は自分の考え方を「得点したい」「あれをしたい」「自分がしたい」ということから「『僕ら』でやるためにどうすればいいか」ということに切り替えることに決めました。ジェイソン・ウェルズコーチは、いつも「お前は『僕ら』か?」と言います。それは、自分が良くなれば、君も良くなり、僕らみんなが良くなるという意味です。その言葉に心を打たれました。彼がそれを僕に言ったとき、「僕はもう子どもじゃないんだ」と気づき、自分の態度をポジティブでチームメートの励みになるものに変えていかなければならないと思いました。 でも自分の能力も見せていかなくてはなりませんし、(そのバランスを上手く保つことは)難しいことかもしれません。。しかし、僕はまだ1年生ですし、一番大きな選手でなければ、一番力強い選手でもありません。時には、最も速い選手でもないかもしれませんが、マッチアップの相手に思い通りにプレーさせないつもりだし、僕とのマッチアップで得点させるつもりはありません。今日は相手のエースを抑えることができました。だから今は、自分がやるべきことをやり、どんどん積み上げていこうと思います。 ――大学最初の試合は最後に少し出ただけでした。そういう経験は、初めてだったのではないですか? ルドルフ これまで経験したことがありませんでしたし、とても屈辱的でした。僕は最後の40秒ぐらいで試合に入りました。でもウェルズコーチが僕を脇に引っ張り、「この時間は、とても大事な時間だ。しっかりプレーしろ」と言ってくれました。そして、(最初のプレーでインバウンズパスを受けた相手選手の手から)ボールを外へ叩きました。いずれにしても相手のボールでしたし、小さなことですが、最低でも何か貢献するようなことができました。そして、次の試合では25分のプレー時間を貰え、その後スターターを任してもらえました。 ――同じポジションでもあるメンフィス・グリズリーズと2way契約を結んだ河村勇輝選手をどのように見ていますか? ルドルフ 大好きです! 彼の活躍はうれしいです。U19日本代表でチームメートだった(ジェイコブス)晶(ハワイ大学)とは、仲がいいのでよく話しています。おそらく一番喋っているのが晶で、(小川)瑛次郎(白鷗大学)ともよく話します。勇輝選手の次に続くのは晶だと思いますが、(大舞台で活躍する)日本人選手たちは僕に「次に続くことができる!」とインスピレーションを与えてくれます。八村塁選手(ロサンゼルス・レイカーズ)と渡邊雄太選手(元グリズリーズ、現千葉ジャッツ)のNBAでの活躍は勇輝選手のNBAへの道を開き、勇輝選手からまた次に続いていきます。アメリカや世界の舞台で日本が知られるようになるのは素晴らしいことです。
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