吉川愛インタビュー “愛しいもの”を守るために譲れないマイルールとは
芝居を再開したときに自分に決めたルール
──ハチとイジーは二人で一緒にやっていくためにルールを決めます。吉川さんの生活のルールはなんですか。 家の中のルールはかなりあるタイプです。リモコンの配置は小さい順から並べないと気がすまないし。物の位置も全部自分の中で決まっていて、元々あった場所に物がないと許せないタイプなので、使っても絶対に元の場所に戻します。スリッパは2種類あって、外から入ってきたとき用とお風呂上がり用で使い分けています。帰ってきたときに、服を着たままソファに座ったりもしたくなくて。家に着いたら、まずは部屋着として使っているパジャマに着替えます。 ──すごくちゃんとされているんですね。 でもこれも全部我が子たちのためなんです。外の菌をうちの子たちにふれさせたくなくて、それで徹底するようになりました。 ──性格的には几帳面なほうですか。 人と比べたことがないので自分が几帳面なのかどうかはわからないですけど、そんなにこだわりは強くないと思います。生活のルールにしても、この家具がいいとか、そういうこだわりはまったくなくて。あくまで家でのルールは私じゃなくて、我が子たちがいちばん。可愛い我が子たちが、生活していて不自由じゃないか、幸せか、怪我しないかが第一優先。物を買うときも、もし誤飲してしまったとしても大丈夫なものかとか、そういうことを必ず考えます。 ──では、仕事でのルールは何かありますか。 できるだけ嘘をつかないこと。お芝居をしていると、たとえばこのタイミングで立ってと指示をいただいても、心情的に「今ここで立ち上がれるかな」と引っかかることがあるんです。そういうときは必ず監督と相談して、他の方法を探るようにしています。ひとつ嘘をついたら、全て嘘をついている気がして嫌なんです。演じる上で納得のいかないことはやらない、はいちばん大切にしているルールです。 ──ちゃんと自分の意見を言えるのが素晴らしいですね。 やっぱり、自分が思っていることは伝えないとダメだなということに気がついて。一度この世界から離れて、また新たにお仕事を始めさせていただいたときに、今までの感覚とはまったく違っていたんです。たぶん昔よりもさらにお芝居をしたいという気持ちが大きかったんだと思います。 自分の意思でもう一度お芝居をするのであれば、納得いかないことをそのままにするのはよくないなって。もちろん、ただの我儘を言うのは違いますけど、納得していないことはきちんと言わないと、自分に嘘をつき続けることになる。そういうことが積み重なっていくと、どんどん仕事自体が嫌になってくると思うので、自分の気持ちはきちんと伝えるようにしています。 ──自分たちを無の世界に葬った守人を倒し、呪いを解くためにイジーは戦います。吉川さんが今いちばん倒したいものは何ですか。 一度コタツに入ると、なかなか出られないんですよね(笑)。実は、昨日の夜もうっかりコタツで寝落ちしちゃって。その後、寝ぼけながらベッドに移動して一緒に我が子たちと寝ました。それが結構ルーティン化してしまっているので、コタツから出られない自分を打ち倒したいと思います(笑)。