台北フィル、東京で7年ぶりのチャリティー公演 福島の震災復興支援
(東京中央社)台北フィルハーモニー管弦楽団(台北愛楽管弦楽団)は9日、東京都のサントリーホールで福島県の震災復興を支援するためのチャリティーコンサートを開いた。同団による東京公演は2017年以来7年ぶり。 曲目はベートーベン「運命」や外山雄三さん作曲「バイオリン協奏曲第2番」、台湾を拠点に活動する作曲家、鍾耀光さんが手掛けた「媽祖伝奇」。「媽祖伝奇」では演奏に合わせて台湾の伝統人形劇・布袋戯(ポテヒ)も同時に上演された。媽祖は台湾で広く信仰される航海の女神。 チャリティーコンサートの収益は福島県庁に寄付され、文化教育交流のために使われる。コンサートの前日には、台北駐日経済文化代表処台湾文化センターでPR記者会見などが行われた。出席した謝長廷(しゃちょうてい)駐日代表(大使に相当)は布袋戯の上演と結び付いた「媽祖伝奇」の演奏で、「戯棚」と呼ばれる布袋戯の舞台がステージ上に設置できることについて、記者から質問を受けた。 謝氏は、交響曲と布袋戯を結び付けたパフォーマンスに意外だと述べるとともに、台湾の伝統芸能に対する尊重の証しだとして日本側に感謝を表明した。同楽団によれば、同団はかつて韓国ソウルでも同曲を演奏したが、布袋戯に欠かせない舞台の設置は認められなかったという。 同団は11日、福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館で行われるメモリアルイベントでは弦楽四重奏を披露する予定。 (楊明珠/編集:荘麗玲)