495万円で「あなたをSFコメディ映画の主役に!」…斬新すぎる日本橋三越本店の「福袋」の中身とは
主役は素人の一般人なうえ、キャスティングも河崎監督が行っているということで、予算との兼ね合いもあり、製作にあたって難しいところもあったのではないだろうか。 「イメージが出来上がればあとは撮るだけですから、うまくいきましたよ。予算や時間が限られても撮るのはプロとして当然。なので購入を希望されている方は、心配無用です。 まして、三越や松竹がバックアップしてくれるので、大船に乗ったつもりで任せてください! 映画は遊びですから、ぜひ一緒に遊びましょう! 内容も話し合いで希望もどんどん出してください。 ただ前回の場合、撮影自体はまったく問題はありませんでしたが、購入した方の某アイドルグループのメンバーの一人を主演にとの希望は、さすがに予算的にできないとお断りしました(笑)。なので、大人気アイドルタレントさんとの共演は難しいと思ってください!」 ◆河崎監督の「ある思い」… そう語る河崎監督だが、彼にはこの福袋の映画も含め、これから撮影する映画にかける思いがあるという。 それは、『日本以外全部沈没』『いかレスラー』をはじめ、多くの作品を共にした映画プロデューサー・叶井俊太郎氏への思いだ。叶井氏は現在、膵臓がんに侵され余命宣告を受けているにもかかわらず、映画プロデューサーとして精力的に活動している。 「『メグ・ライオン』のときも彼が作品を配給・宣伝して、映画館に売り込んでくれて北海道から沖縄まで全国で公開することができたんです。 そんな彼もこの映画が完成するまで生きているか分からないし、さらに、この福袋の映画ではないのですが、ほかのまだ撮ってもいない僕の映画の公開先までもうすでに決めてくれているんです。そんな彼のためにも映画を撮り続けていきたい」 新しいもの、面白いものを世に伝え、体験と成果物を届けたい三越と、盟友のために映画を撮りたい河崎実監督。この二つがタッグを組んだ映画がどんな内容になるかはまさに予測不能で、三越、河崎監督、購入者の三者の化学反応で映画史に名を残す可能性も、もしかしたら……。 そんな注目の福袋「奇才・河崎 実監督があなたをSFコメディ映画の主役に!」は495万円で、申し込みは’24年1月3日までで、申し込み多数の場合は抽選。三越と映画史に自分の名を刻めるチャンス! かも? ■「三越の初夢 福袋」 「奇才・河崎 実監督があなたをSFコメディ映画の主役に!」ほか、「あなたも三越劇場でマジックショーに出演!」(110万円)、「杉本昌隆八段と夢の対局~会食付~」の「対局プラン」(88万8888円)or「対局映像完全収録プラン」(138万8888円)、「空手・清水希容選手との交流会」(16万5000円)をはじめ、体験型プランが多数。すべて人数制限あり、申し込み多数の場合は抽選。 河崎実 1958年東京都生まれ。『地球防衛少女イコちゃん』(’87年)でプロデビュー。’04年に公開された映画『いかレスラー』はロングランヒットを記録し、カナダファンタジア映画祭のアジア映画部門観客賞を受賞。ほか、代表作に『コアラ課長』(’06年)、『かにゴールキーパー』(’06年)、『ヅラ刑事』(’06年)などがあり、筒井康隆原作の『日本以外全部沈没』(’06年)がヒットし、第16回東京スポーツ映画大賞特別作品賞を受賞。現在新作映画『電エースカオス』公開中。 取材・文:高橋ダイスケ
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