11分で完売 「スタンレー」のストロー付きタンブラーに熱狂するワケ
アメリカ発のドリンクフードウェアブランド「スタンレー(STANLEY)」が、アメリカを中心に爆発的な人気を集めている。特に人気を集めているのは、「クエンチャー(Quencher)」と呼ばれている保冷保温効果のあるグリップとストロー付きタンブラーだ。ひとつ約45ドル(日本円で6600円)と、タンブラーとしては比較的高価な印象を覚えるクエンチャーだが、多くのユーザーが複数個所有している姿を目にする。また非公式ながら、ショルダーストラップや、ストローキャップ、マルチポーチ、キーホルダーなどのアクセサリー類も数多く発売されており、クエンチャーを独自にカスタマイズし楽しむスタイルも確立され始めている。 取り扱い店舗に大勢の人が押しかける様子も
クエンチャーの人気は留まることを知らず、カントリーシンガー レイニー・ウィルソン(Lainey Wilson)とのコラボモデルは11分で完売した。また、年始に大型スーパー「ターゲット」限定で販売されたバレンタインデー仕様のスターバックスコラボも全米で即完。TikTokなどのSNSでは「#stanleyvalentinesday」のハッシュタグも生まれ、店舗の販売エリアに大勢が押しかける様子や、タンブラーに巻き付けられている紙をラミネート保存しようとしているアカウント、転売を揶揄するアカウントなどからその熱狂ぶりが伺えるだろう。なぜこれほどまでの、人気を集めるに至ったのか。担当者に話を聞いた。
スタンレーの変遷、元祖真空スチールボトル
スタンレーの歴史は1913年にまで遡る。ウィリアム・スタンレーJr.が、当時の真空断熱ボトルがガラス製で耐久性がないことに疑問を抱いたことをきっかけに、真空断熱技術とスチールの頑強さを融合。真空構造によって保温保冷を長く保ちながら、オールスチール製で頑丈なボトル一本のボトルを発明した。これが現在も幅広く愛用されている真空スチールボトルの原型誕生とされている。 衝撃に強く、持ち運びやすいデザインから労働者階級からの評判を得て、全米に浸透。米軍でも使用されており、その機能性と耐久性は「トラックで引いても潰れない」「弾丸すら通さない」などの伝説が残されるほど。直近では、炎上した車の残骸からスタンレーのクエンチャーが発見され、その中にまだ氷が残っていたというのエピソードがSNSを中心に話題を集めたことも記憶に新しい。