付き合いたてなのに題名は「1ヵ月で別れる」 不穏な先行きが予告済みの恋愛漫画にやきもき【作者に訊く】
もともと仲の良かった先輩男子と後輩女子。先輩の卒業間近に晴れて付き合い始めた二人だが、たった1ヵ月で別れを迎えてしまう――。 【漫画】「1ヵ月で別れるカップル」を読む 「淡々カップル漫画」シリーズをはじめ、オリジナルの創作漫画をWEB上で発表する御崎そら(@Sora_Misaki_)さん。「1ヵ月で別れるカップル」は、2023年12月からX上で発表していた新作だ。後輩の「律」に告白され、晴れて恋人同士になった「司」。こそばゆくなるような二人の日々を1日1ページずつ描く恋愛漫画だが、タイトルの通りその関係は1ヵ月で終わりを告げる。破局の兆しが見えない中、予告された結末に向けてどう展開するかSNS上で注目が集まった。 現在は結末部分を収録した電子書籍として販売されている同作。ウォーカープラスでは作者の御崎さんに、制作の舞台裏や今後の展開について話を訊いた。 ■「ネタバレありき」の風潮に「途中経過を楽しませる作品」を ――告白からはじまるのに「1ヵ月後に別れる」という題名が波乱を感じさせる作品です。本作を描こうと思ったきっかけと、作品の着想について教えてください。 【御崎そら】「人目も憚らずイチャイチャしている二人ほど早く別れる」という定説というかミームというか、その部分から着想を得て本作は制作しました。 ――1日の様子が4コマずつ描かれることで、描かれなかった部分の想像が掻き立てられると同時に、あっという間に時間が過ぎていく無常さも感じます。こうした構成にした狙いはどんなところにありましたか? 【御崎そら】こんなに仲が良く微笑ましいカップルのやりとりの最後に「別れる」という悲観的な言葉があり、更にカウントダウンもされていく形式をとれば、単体のエピソードだけで消費されず続きも読んでもらえやすくなるだろうという考えから、こういった構成にしました。 ――司と律について、それぞれのデザインや性格についてどんな風に膨らませていったか教えてください。 【御崎そら】本作は基本4コマなこともあり、デフォルメ化してもキャラの印象が崩れないように調整しました。性格というか、キャラクター性に関しては、若干のギャップを取り入れていて、司は「目つきは悪いけど言葉遣いや仕草なんかがとても穏やか」、律は「見た目はかわいい女の子だけど言葉尻が強かったり、堂々とした立ち振る舞いができる」と言った風に、現実にいたらちょっとモテそうだな、という属性を入れました。 ――本作の見せ方で意識した点や、これまでの作品とは違うアプローチを取り入れた部分があれば教えてください。 【御崎そら】最近のユーザーはネタバレありきで作品を読む傾向にあるらしく、それであれば結末は最初から周知してしまって「何故そうなってしまったのか」の途中経過を楽しませる作品にしようと思い、このスタイルを取り入れました。とにかく「こんなに仲良いのになんで別れちゃうの?」と思われるように、毎話の最後にある「別れるまで残り〇日」に違和感をいだくよう意識しました。 ――電子書籍収録のラストでは別れることになった原因が描かれるだけでなく、今後の展開も予告されています。当初から続編の構想も持って描かれていたのでしょうか? 【御崎そら】最初から「復縁する二人」も構想に入っていました。元々は司と律の復縁したさらにその先の話を作っていて、この二人のキャラを深堀りするために作っていたメモからできたのが本作になっています。いろいろと同時並行で制作しているので、続きの公開はもう少し先になりそうですが、今のところ司と律の話は長い目で動かす想定でいます。 取材協力:御崎そら(@Sora_Misaki_)