平和の想い込めた守り神 ウクライナ人画家のニナ・ブチェバさん、上賀茂神社へ絵馬奉納
ロシアによる軍事侵略から逃れて日本で暮らしているウクライナ人の画家、ニナ・ブチェバさんが、平和を祈願した絵馬を上賀茂神社(京都市北区)に奉納した。守り神とされる「玄武」をテーマにして、日本絵画の技法も取り入れた作品に仕上げた。 ロシアによる侵略開始前から日本の芸術文化に関心を持っていたニナさん。ロシア軍の砲弾が飛び交う中、命がけで占領地域を脱出し、2022(令和4)年9月に来日した。現在も国内で創作活動を続けている。 上賀茂神社に奉納された絵馬は、ヒノキ製で横約120センチ、縦約70センチ。平和の願いを込めて、守り神である玄武を描いている。金箔(きんぱく)や岩絵の具を使うなど、日本絵画特有の技術も取り入れた。 書は、ギリシャで書道を指導している書家の今村みづきさんが手掛けた。 デザインの構想から完成まで約半年を要したといい、ニナさんは「人生をかけて描いた作品。(絵馬が)参拝者にとってのお守りになってほしい」と思いを語った。奉納した絵馬は上賀茂神社の特別参拝で見ることができる。 ニナさんは今夏、同じく平和を祈願する青龍の絵馬を八坂神社(京都市東山区)にも奉納している。(堀口明里)