ドラマ「3年A組」佳境へ ネットは新たなお茶の間?
菅田将暉が高校教師役で主演するドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系、日曜22時半)が、いよいよクライマックスを迎えている。3日放送された第9話は、平均視聴率も12.9%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と、これまでで最高だったことがわかった。
クラスメイトに注目 “青田買い”の楽しさも
菅田演じる3年A組担任の美術教師、柊一颯(ひいらぎ・いぶき)が、卒業式10日前に自らの教え子たちをクラス丸ごと人質にとって学校に立てこもるという展開が、クラスメイト・景山澪奈(上白石萌歌)の死の真相をめぐる謎解きとあわせ回を追うごとにネットで話題になってきた。 台本の面白さや硬軟織り交ぜた演出の巧みさ、一連の事件の黒幕推理が人気の原動力と思われるが、A組生徒たちにキャスティングされた若手俳優たちの充実度の高さもポイント。永野芽郁はじめ、今田美桜、川栄李奈、片寄涼太、福原遥、大原優乃、新條由芽、今井悠貴ら、学園ドラマならではのにぎやかさだ。 ファンの間では、昨年NHK朝ドラでヒロインを務めた永井や、GENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄、Yahoo!検索大賞2018女優部門を受賞して勢いのある今田、元AKB48で女優としての活躍が評価されてきた川栄など、すでにブレーク、あるいはブレークしつつある顔ぶれの話題から、まだ知名度はないが今後に期待できるクラスのネクストブレーク候補をいわゆる“青田買い”的に見つけていく、といった楽しみ方で盛り上がっているようだ。
放送中や放送後にネットで盛り上がる
初回、10.2%でスタートしてから第4話で9.3%と二桁を割ったこともあったが、以後はまた持ち直し徐々に視聴率を上げてきた同作。Tverはじめ見逃し配信、タイムシフト視聴など、ドラマの見方は近年多様化してきたが、放送中や放送後のネットでの話題の盛り上がりも、そうした多様化の中から出てきた新たな楽しみ方といえるだろう。昔、テレビを前にした一家団欒を表現するのに“お茶の間”という言葉をよく使ったものだが、いまやネットが新たなお茶の間となっている感がある。そこは家族ではなく、見知らぬ者同士が行き交う場ではあるが、ここで口コミで広がる人気というのも侮れない要素になってきているのではないだろうか。 第9話のラストでは、永野演じる茅野さくらが、「私が澪奈を殺したの」と衝撃の告白。これまでの、いい意味で視聴者の想像を裏切ってきた展開を考えると、果たしてさくらの言葉も額面通りに受け取っていいものかどうか。10日放送の最終回へ興味をつないだことだけは、間違いない。 (文・志和浩司)