心引かれる「推し仏」探し 「まるごと奈良博」連休初日にぎわい 県立美術館に愛好者や家族連れ
●泉丘高新聞部が取材 金沢市の石川県立美術館で開催中の奈良国立博物館展「まるごと奈良博」は13日も、多くの鑑賞者でにぎわった。3連休の初日とあって家族連れや愛好者グループが目立ち、泉丘高新聞部も同展の「取材」に訪れた。来場者は仏像の表情や大きさ、色や形などを見比べ、心引かれる「推(お)し仏(ぼとけ)」を探して会場を巡った。 奈良博の誇る仏教美術を10章構成で紹介する会場は人波が途切れず、来場者がじっくりと至宝と向き合った。平安時代の地蔵(じぞう)・龍樹菩薩坐像(りゅうじゅぼさつざぞう)は、阿弥陀如来(あみだにょらい)が人々を極楽へ導く際のお供として登場する。来場者は僧侶の姿をした2尊の穏やかな表情に見入った。 会場には泉丘高新聞部の1年生4人が訪れた。部員は谷口出副館長から、同展が奈良博の主要所蔵品をほぼ網羅する初の大規模展であること、国宝8点、重要文化財93点が展示されることなどを聞き取り、紙面で紹介する仏像を探して展示会場を取材した。 頰づえのポーズを取る重要文化財「如意輪観音菩(にょいりんかんのんぼ)薩(さつ)坐像(ざぞう)」を推す遠藤雅和さんは「考え事をしているような穏やかな表情がいい」と話した。藤本真広さんは「苦行を終えた釈迦の像は、インパクトがあり、不思議な力がありそう」と印象を語った。 「走り大黒」の愛称で親しまれる「伽藍神立像(がらんしんりゅうぞう)」に心引かれたというのは眞野結月さんと堂宮綾乃さん。「動きはユーモアがあるのに表情は険しく、ギャップが面白い」「むしろパワーをもらえそう」と話した。近く発行する学校新聞「いずみの原」の速報版で紹介する。 奈良博展は「ポスト国民文化祭」の目玉事業として県、県立美術館、北國新聞社でつくる実行委員会が主催。前期は28日までで、後期は31日~8月25日に開かれる。開館時間は午前9時半~午後6時。入場料は一般1500円、大学生千円、高校生800円、小中学生500円。内灘町以北の小中学生は無料となる。