進行がんを治療する人工抗体の合成に成功 ── 実用化に向けベンチャー設立へ
研究に不可欠なスーパーコンピューター
人工の抗体は、すでに存在するタンパク質を分子レベルで改変し、人の体に合うように作り変える必要があるため、その組み合わせを求める計算量は膨大になります。タンパク質や分子の周囲にある水の分子のふるまいまでも考慮しなければならないのです。 一時期ニュースで話題になったスーパーコンピューターの「京」も使われましたが、一度に多くの研究者が「京」を使うと、その性能を活かしきることができません。しかも、最速のスーパーコンピューターでも時間が経つと最高速ではなくなるという問題もでてきています。 児玉教授は「この研究を推進するためには、スーパーコンピューターの存在が不可欠。今後は分散されたコンピューターに並行して計算させるクラウドも活用し、5年後の実用化を目指したい」と話しています。