34歳、ゲレンデを買う──細かい不満を解消する(Vol.8)
ブレーキダストは……
もうひとつはブレーキダストだ。メルセデス・ベンツに限らず欧州車はブレーキダストが多い。制動性を重視するため、ブレーキローターとブレーキパッドが摩耗しやすいからだ。 性能はよいが、洗っても洗ってもみるみるうちに汚くなるのは、あまり気分は良くない。しかも、ブレーキダストが固着することでホイールの腐食が始まってしまうリスクもある。 そこで前出の鹿田能規代表に相談すると、「DIXCEL(ディクセル)」のブレーキパッドを勧められた。ディクセルは、2003年6月に一般車およびチューニングカー、レーシングカー用のブレーキパーツの製造/販売を目的として設立された日本のブランドだ。ちなみにディクセルとは、「優れた(Excellent)」と「減速力(Deceleration)」をモチーフに名づけられたという。 今回、購入したのはフロントが「Mタイプ」、リヤが「Premiumタイプ」。前者はストリート用ダスト超低減パッドで、“ホイールが最も汚れにくい街乗り用”を謳う。後者は、ノーマルブレーキパッド並みの価格とロングライフながら、制動力、ダスト性能に優れたブレーキパッドという。いずれも肝心のブレーキ性能はおろそかにしていない。 換装した結果は上々。明らかにブレーキダストが減った上に、ブレーキのコントロール性が高まったように思う。より緻密な制御が可能となったのだ。改めてディクセルのウェブサイトを閲覧すると、「唐突に効くのではなく、踏力に応じて効きが上がるビルドアップ型のため、同乗者も快適」と、記されていた。 細かい不満が一気に解消したことで、一層、愛車への思いが深まった。もっとも、そのままでも美点は多い。次回、そのポイントを記したいと思う。
写真・安井宏充(Weekend.) 文と編集・稲垣邦康(GQ)