バイオライフ分野で新事業を 出光興産が西部石油に実証設備を建設【山陽小野田】
出光興産(木藤俊一社長、本社東京都千代田区)は5日、京都大発の企業Symbiobe(シンビオーブ、伊藤宏次社長、本社京都市)とバイオライフ分野での新規事業創出と協業に向けた基本合意書を締結し、同社100%子会社の西部石油山口製油所の敷地内に、新事業の実証設備を建設すると発表した。 出光興産は、石油精製や石油化学で培った技術を生かし、微生物の代謝を活用する「バイオものづくり」の事業化を検討している。実証設備はその一環。 微生物開発に高い知見を持つシンビオーブ社との協業は、二酸化炭素などを含む排ガスと海水、太陽光を用いて紅色光合成細菌の大量培養が目的。光合成により二酸化炭素からアミノ酸などの有価物原料を製造する細菌を量産し、温室効果ガスの固定とバイオマス由来の製品製造の社会実装化を目指す。 今年度中に量産技術の確立に向けた実証用プラントの建設に入り、来年度に検証を実施。2026年度に生産性、採算性の確認を行う商業用小型プラントの建設を進め、27年度からの実証を計画している。 今年1月に発表した「グリーントランスフォーメーション西部(GX西部)」構想で示した同製油所の事業転換3本柱の一つ「技術開発・実証試験センター」としての設備建設となる。