“黒潮打線”復活へ銚子商「バントや走塁」原点の緻密な野球で足元固め本番で勝負強さ出す/千葉
銚子商が「黒潮打線」復活をかけて戦う夏がやってくる。第106回全国高校野球選手権千葉大会(7月6日開会式、10日開幕)の抽選会が13日、千葉市内で行われた。県勢最多の甲子園29勝を誇る銚子商が74年夏、全国制覇を果たしてから50年。決勝まで5試合29得点で、安打の途切れない打線を称し「黒潮打線」と呼ばれた。伝え聞く栄光を引き継ぎ「銚子商プライド」を胸にプレーする。 夏に向け、今年は初戦の日まで徹底的に練習を重ねる。沢田洋一監督(43)は「選手たちができることを、レベルを上げ細かく幅を広げていく」と話す。調整よりも実践。山田温斗主将(3年)は「黒潮打線復活に向け、打撃にも重きを置いてはいますが、今年はパワーがない。バントや走塁でつなぐ打線です」。実は50年前の「黒潮打線」も、その根底は犠打やスクイズ。緻密な野球あっての強力打線だったといわれる。原点に返り足元を固め、本番での勝負強さを発揮する。 沢田監督は毎年、入学式の後、新入生を集めミーティングを行い、銚子商の歴史を語る。最後に「3年間、ここで努力をし成長していく覚悟を決めて欲しい」と説く。選手たちのほとんどが、両親や関係者からしか耳にしない「黒潮打線」。歴史を守りながら、今年も選手たちは力強くプレーする。【保坂淑子】